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防火区画貫通処理

ぼうかくかくは、建築基準法によって規定されている建築物の区画であり、火災発生時に延焼範囲を限定するために設けられるものであり、面積を一定値以内に制限する面積区画、屋上に至るダクトを通すことの多い竪穴区画、そのほかにも異種用途区画や消防不燃区画、防火上主要な間仕切りとも呼ばれる令114条区画など、火災の延焼を防止し安全に避難を行うために数多くの区画が存在する。

耐火建築物または準耐火建築物において求められる仕様であり、間仕切り壁や床に対して、火災時に一定時間以上耐えられる性能を持たせなければならない。

防火区画には前述したように「面積区画」「竪穴区画」「異種用途区画」など多くの種類があり、それぞれ性能や目的が異なる。防火区画は延焼を避けるための重要な壁であるが、電気配管やケーブルは全ての室に対して必要であり、いずれかの地点で防火区画の貫通が必要になるため、これらの防火区画を貫通し、照明やコンセント、空調機の電源、スピーカーや感知器などに配線を接続することになる。

このケーブルを伝って火災が延焼することを避けるため、防火区画を貫通する配管や配線は、防火区画貫通処理を施さなければならない。防火区画は火災の延焼を防止する区画であり、貫通する壁や床の仕様に応じて、区画貫通処理を施す必要がある。防火区画貫通処理が適切に施工されていない場合、着火側区画の火災がケーブルを通じて延焼が広がり、防火区画としての性能が失われるため注意を要する。

改修工事などで、既存の防火区画を通過するケーブル工事を必要とする事例は多いが、適切に施工された区画貫通処理を損傷させてケーブルを通し、そのまま復旧しないという事象もあり、火災時のリスクとして問題視されている。

また、防火区画貫通処理は壁用と床用に分けられており、かつ貫通できるのがケーブルまたは配管か、その貫通サイズ、本数、貫通対象が乾式壁かコンクリート壁か、といった区分がそれぞれ定められている。国土交通省による認定は、その限定された範囲内でのみ適用されているため、貫通する部位や材質を間違えると、火災発生時に延焼してしまうおそれがある。

区画貫通工法の事例

防火区画貫通処理の工法は、石膏ボードやケイカル板を用いた中空壁のほか、コンクリートやALCで構成された区画の貫通も規定されている。ケーブルを貫通する場合「防火区画壁の両端に1m以上の鉄管を突き出しモルタルで穴埋めする」といった仕様規定を採用するのが一般的だが、狭い空間で1m以上突き出しが確保できないとか、簡易に区画貫通処理を行いたいのであれば、国土交通大臣認定工法による区画貫通も認められている。

電線管の区画貫通処理は、積水化学工業のフィブロックや、フラマシステムのCMAなど数多くのメーカーが認定部材を販売している。

区画貫通処理部分には、認定工法で施工したことを示すシールを貼ることを基本とする。天井裏など隠ぺい部になる場所は、区画貫通処理が施工されている記録を残すため、天井により隠ぺいされる前に、写真を撮影し保管しなければならない。

防火対象物の分割を目的として設けられる令8区画(消防法施行令第8条に定められた区画)については、高い安全性を求められる壁であり、電線貫通は禁じられている。これは防火区画貫通処理を施すとしてもである。詳細は令8区画の構造・解説を参照。

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