反射率
入射光と反射光の比率
反射率(Reflectance)は、ある物体の表面に入射した光束(エネルギー)に対して、反射して戻ってくる光束の割合を百分率(%)で示した数値である。
一般的に、物体が白に近いほど光をよく反射するため反射率は高く(80~90%程度)、黒に近いほど光を吸収するため反射率は低くなる(5~10%程度)。
また、鏡面のように光を一定方向へそのまま返す「正反射」と、白い紙や石膏ボードのように全方向へ散乱させる「拡散反射」があり、建築照明の設計においては、主にこの拡散反射の度合いが空間の明るさの重要な要素となる。
室内照度計算における反射率の重要性
照明設計を行う「照度計算(光束法)」において、天井・壁・床の反射率は、照明器具の台数を決定する「照明率」に直結するパラメータである。
室内空間の明るさは、照明器具から直接作業面に届く「直接光」だけでなく、天井や壁に当たって跳ね返った「相互反射光」の総和で構成される。したがって、内装材が白く反射率が高い空間では、光が何度も反射を繰り返して部屋の奥まで届くため、少ない照明器具数で所要照度を確保できる。
対して、シックな黒や濃茶系の内装材を使用した空間では、壁面で光が吸収されて減衰してしまうため、明るさを確保するにはより多くの、あるいは高出力な照明器具が必要となる。
低反射率素材と屋外照明の難しさ
反射率が極端に低い素材として、黒色の塗装仕上げやアスファルトなどが挙げられるが、特に注意が必要なのは「水面」である。水面の反射率は入射角にもよるが、垂直に近い光に対してはわずか2%程度しかない。
そのため、雨天時や雨上がりの屋外路面は、濡れて水膜ができることで光をほとんど反射せず、吸収または透過させてしまうため、晴天時に比べて路面輝度が著しく低下し、視認性が悪化する。屋外照明や道路照明の計画においては、この反射特性の変化も考慮に入れた設計が求められる。
照明器具の効率と反射板技術
空間の反射率だけでなく、照明器具そのものの「反射板(リフレクター)」の性能も光の利用効率を左右する。
ダウンライトや投光器の反射鏡には、アルミ蒸着や銀メッキを施した高反射率素材(反射率95~98%)が採用されており、光源から背面や側面に出た光を無駄なく前方へ取り出す設計がなされている。既存の蛍光灯器具やベースライトにおいても、経年劣化した反射板を高反射率タイプの部品に交換したり、酸化チタンなどを塗布した高効率反射板を後付けすることで、器具光束を増大させ、省エネ効果を得るといった改修手法も有効である。
照明設計の基礎知識は照明設計の基礎知識と設計手法を参照。












