パルス発信装置
パルス発信装置の概要と役割
パルス発信装置とは、電力量計、ガスメーター、水道メーターなどの計量器において、一定の使用量を計測するごとに電気的な信号(パルス)を発信する機能、またはその付加装置のことである。発信されたパルス信号は、中央監視装置やデマンドコントローラーなどの受信機器に伝送され、エネルギー使用量の可視化や自動制御の基礎データとして利用される。
例えば、1kWhの電力を消費するごとに1回のパルスを発信する設定であれば、受信側でパルス数をカウントすることで、離れた場所からでも積算電力量を把握することが可能となる。
パルス定数(パルスレート)の設定
パルス発信装置を運用する上で重要となるのが、1パルスあたりが示す物理量を定義するパルス定数(パルス単位・重み)である。
「1パルス=1kWh」とするのか、「1パルス=10kWh」とするのかによって、計測データの分解能(細かさ)が変化する。パルス定数が大きい(1パルスの重みが大きい)場合、微少な変動を捉えきれないが、長期間の積算には適している。逆にパルス定数が小さい(細かい)場合、瞬時の変動を精密に計測できるが、短時間で膨大なパルス数が送信されるため、受信機器側の処理能力やカウンタの桁数に応じた適切な設定が求められる。
取引用計器からのパルス検出(パルスピック)
電力会社が設置する課金用メーター(取引用計器)からパルス信号を取得する場合、計量法および電力会社の規定により、メーター内部の回路に直接配線を接続することは認められていない。そのため、メーターの発光部(LEDパルス)や回転円盤のマークを光学的に読み取り、電気信号に変換するパルスピックと呼ばれる専用の検出器が用いられる。
また、高圧受電設備などで電力会社から正式にパルス提供を受ける場合は、パルス検出器と受信側の間にパルス用アイソレーター(絶縁器)を設置し、電気的な絶縁を確保することが一般的である。これにより、需要家側の設備トラブルが電力会社側の計量器に波及することを防ぐ構造となっている。
デマンド監視と省エネルギー制御
パルス発信装置は、単なる使用量の記録だけでなく、契約電力(デマンド値)の管理においても使用される。
デマンド監視装置は、受信したパルス信号から現在の電力使用ペースをリアルタイムで演算し、30分間の平均需要電力が契約電力を超過しそうな場合に警報を発したり、空調機などの負荷を自動停止させたりする制御を行う。この制御を正確に行うためには、パルスの欠測やノイズによる過剰カウントが発生しないよう、シールド線の使用や配線距離の制限など、施工時のノイズ対策が必要となる。
計量法における扱い
テナントビルなどで、各入居者の電気使用量を計測して電気料金を請求(課金)する場合、パルス発信機能付きの証明用電気計器(子メーター)を使用しなければならない。
この際、メーター本体が計量法の検定に合格していることは当然として、パルス発信装置から出力されたデータが、受信側のシステムで正しく表示されているかどうかの確認(パルス整合試験)が必要となる。未検定のメーターや、単なる目安計測用の機器を使用した課金行為は計量法違反となる。
電力量計に関する詳細情報については電力量計・電力メーターの原理と仕組みを参照。












