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SOx

石油、石炭などの化石燃料を燃焼させた際に発生する汚染物質のひとつ。燃料中の硫黄成分が空気中の酸素と結合することで発生し、人体にはぜん息などの呼吸器疾患を引き起こす原因となる。四日市ぜん息の主原因とされており、排出量が厳しく制限されるようになった。

硫黄酸化物は大気中で硫酸に変化し、酸性雨の発生につながるとも言われており、排出を低減する技術が開発されている。大気中の水分と硫黄酸化物が結合すると、硫酸ミストとなり酸性雨となる。昭和47年に四日市ぜんそくの公害裁判判決が出たのち、130万トン以上排出されていた硫黄酸化物(ばい煙)の排出量は、平成29年に26万トン程度まで低減されている。

排出されたSOxは二次的にPM2.5を拡散させ、呼吸器障害などにつながるおそれがある。燃料に含まれている硫黄成分を低減することや、燃焼時に発生する硫黄酸化物を取り除くなど、硫黄の発生や放出を抑える技術が、内燃機関を搭載している装置に広く採用されている。

LNG燃料など天然ガスを用いた燃料では、硫黄成分の発生はゼロであり、硫黄成分の放出が制限可能である。

硫黄酸化物を排出する代表施設

自動車や船舶はガソリンや軽油、重油を燃焼させて排気ガスが放出される。工場や発電所などでも同様に、大量の化石燃料が燃焼されているため、硫黄成分の放出は避けられない。硫黄酸化物を排出している施設は60%程度がボイラである。ボイラは発電・窯業・鉄鋼業など数多くの業種で幅広く用いられており、利用を制限するのは現実的ではないため、硫黄成分の少ない燃料を用いたり、施設内で脱硫するといった施策が求められている。

電気設備分野では、非常用発電機や常用発電機といったディーゼル機関であるが、全体の10%に満たない数値である。軽油やA重油を燃料として電力を得ることが通常行われており、排気ガスとして硫黄酸化物が放出されることになる。国内では「大気汚染防止法」により、ばい煙施設として規制されており、新規にばい煙施設を設置する事業者は、発電施設を「ばい煙発生施設」となる電気工作物の届出を必要としている。

 
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