RDF発電
RDF発電(ごみ固形燃料発電)とは
RDF発電(Refuse Derived Fuel 発電)は、家庭ごみや事業系一般廃棄物などの可燃性廃棄物を特定の工程で処理し、高品質な固形燃料「RDF(ごみ固形燃料)」へと変換したのち、専用の発電施設で燃焼させて電気を生み出すシステムである。廃棄物処理とエネルギー回収を同時に実現する、循環型社会構築に向けた重要なアプローチのひとつ。
RDF発電の仕組みとプロセス
RDF発電のプロセスは、以下のステップで構成されている。
- 収集されたごみを破砕機にかけ、磁選機などで鉄製品などの不燃物を除去する
- 処理されたごみを乾燥機で水分を除去し、発熱量を高め、貯蔵・輸送効率を高める
- 乾燥・減容化したごみに消石灰などを加え、プレス成形することで固形化したRDF燃料とする
- 製造されたRDFを専用発電施設で高温燃焼し、蒸気タービンにより発電を行う
メリットと期待効果
RDF発電は、従来のごみ焼却が抱えていた課題を解決する手段として、中小規模自治体を中心に普及が進んだ。主なメリットは以下の通りである。
- 乾燥・均質化された燃料により高温燃焼が可能で、発電効率が高い
- 固形化により悪臭や腐敗が抑制され、広域集約による効率運営がしやすい
- 燃焼制御によりダイオキシン類の抑制が可能で、焼却灰はリサイクルされる
課題と現在の動向
RDF発電はメリットだけではなく、いくつかの重要な課題が指摘されている。
- RDF貯蔵サイロ内での自然発熱・火災・爆発事故が発生するおそれがある
- 建設・運営コストが高く、補助制度や委託料が事業収支を大きく左右するため事業採算性が安定しない
これらの課題を経て、現在ではセメント工場での混焼利用など、産業分野での活用が進んでいる。化石燃料代替とCO2排出削減の両立に寄与している点が評価されている。RDF発電は、廃棄物問題とエネルギー問題を同時に解決する有効な技術のひとつであり、安全性の確保と運用の最適化を前提に、地域特性に応じた導入が求められている。











