FL
グロースタータを用いた点灯方式
FL(Fluorescent Lamp)は、直管蛍光灯や環形蛍光灯において、点灯管(グロースタータ)と呼ばれる始動補助装置を用いてランプを点灯させる方式である。照明器具の型番やランプの型番に「FL」と表記される。
構造が単純で安価であるため、かつては住宅の居室照明や工場のベースライト、キッチン手元灯など幅広い用途で普及していた。しかし、スイッチを入れてから点灯するまでに数秒のタイムラグがあり、点灯直前に数回点滅(チカチカ)するという特性がある。即応性が求められる場所や、頻繁に点滅を繰り返すトイレやセンサー照明には不向きであり、後に開発されたラピッドスタート形(FLR)やインバーター形(Hf)にその座を譲った。
点灯管の役割と種類
FL方式の核心部品である点灯管(グローランプ)は、バイメタル電極をガラス管に封入した放電管である。スイッチをオンにすると、まず点灯管内で放電が始まり、その熱でバイメタルが湾曲して接点が閉じる。これにより蛍光灯のフィラメントに予熱電流が流れ、数秒後にバイメタルが冷えて接点が開く瞬間に、安定器(チョークコイル)から高電圧(キック電圧)が発生し、蛍光灯が点灯する仕組みである。
点灯管には、ねじ込み式の「E形(FE-1Eなど)」と、差し込み式の「P形(FG-4Pなど)」があり、適合するワット数によって使い分ける。また、バイメタル式に代わり、電子回路を用いて一瞬で点灯させる「電子点灯管」も販売されており、これに交換することでFL特有の点灯遅延や点滅を解消し、ランプ寿命を延ばすことができる。
LED化と安定器の処置
現在、FL蛍光灯器具の新規製造は終了しており、既存器具のLED化が進んでいる。FL方式の器具をLED化する場合、最も簡易な方法は「工事不要」を謳うLEDランプを装着することだが、これには注意が必要である。
グローランプを取り外すだけで点灯するLEDランプも存在するが、これらは既設の古い安定器を経由して給電されるため、安定器がさらに劣化して発煙・発火するリスクが残る。また、安定器自身の消費電力も無駄となる。
したがって、恒久的な対策としては、器具内部の安定器を切り離し、AC電源をLEDランプのソケットに直結する「バイパス工事(片側給電または両側給電)」を行うか、器具本体ごとLEDベースライトに交換することが推奨される。特に製造から15年以上経過したFL器具は、絶縁劣化による事故防止の観点から、バイパス工事よりも器具交換を選択するのが望ましい。












