電気設備の知識と技術 > 電気設備用語辞典 > DCモーター
モーターの駆動方法を直流としたもので、交流モーターよりも効率が高く、起動時トルクに優れている。消費電力を抑えられ、細かな速度制御を行うことができるのが特徴で、業務用の給排気ファンほか、家庭用の扇風機などにも広く採用されている。DCモーターを採用すると、風量を数多くの段階で細かく調整でき、かつ消費電力も小さいため省エネルギーを図ることができる。家庭用の扇風機や、パソコン内部のファンなど、発熱量に応じて必要な風量を変動させて電力の無駄を低減している。
DCモーターにもACモーターと同様にブラシ付きとブラシレスがある。寿命や騒音の少ないブラシレスDCモーターが最も高性能であるが、電流方向を一定タイミングで変換する駆動回路が必要となるため、コストも高くなる。
ブラシは電気回路への接触と開放が繰り返される消耗部品であり、接触時に騒音を発生させ、ノイズの発生源ともなる。ブラシレスモーターであれば、消耗部品のひとつを用いずに設計できる。
DCモーターを採用した給排気ファンを使用することで、消費電力を低減することができれば、建物が消費する一次エネルギー量の低減が可能である。BELS認証に置けるZEH-M表示を行う場合にも、給排気ファンにDCモーターを採用することで一時消費エネルギーを低減できる。
住宅は24時間換気を必要とすることもあり、常時運転している排気ファンの消費電力を小さくすることで、数十ワットの消費電力であっても高い省エネ効果を図ることができる。一般的に、ACモーターをDCモーターとすることで60~70%の消費電力が低減するとされている。
住宅ではトイレ、洗面所、浴室などを一括で換気する2室換気や3室換気のファンが普及しており、複数の部屋を一つのファンで換気している。20Wのファンで換気を行う場合で、ACモーターを20W、DCモーターを8Wとした場合の月間・年間の消費電力、1kWhあたり30円とした場合の電気料金は下記となる。
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