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🏠 電気設備の知識と技術 > 電線・ケーブルの種類 > LKGB電線

LKGB電線とは

180℃の耐熱性能を持つ特殊電線

LKGB(Silicone Rubber Insulated Glass Braided Wire)は、導体に「すずメッキ軟銅線」を使用し、その周囲を絶縁体である「シリコーンゴム」で覆い、さらに最外層を「ガラス繊維」で二重に編組した耐熱電線である。JIS C 3323で規定されており、正式名称は「600Vシリコーンゴム絶縁ガラス編組電線」という。

名称は、「L:口出し線(Lead Wire)」「K:けい素ゴム(Silicone)」「G:ガラス繊維(Glass)」「B:編組(Braid)」に由来する。最大の特徴は、最高許容温度が180℃という極めて高い耐熱性を保持している点である。一般的なIV電線(60℃)やHIV電線(75℃)では被覆が溶融してしまうような高温環境下においても、安全に電力を供給することが可能である。

主な用途と機械的強度

その高い耐熱性を活かし、製鉄所やガラス工場などの炉周りの配線、業務用の厨房機器、大型投光器の口出し線、電気サウナのヒーター電源などに広く採用されている。また、ガラス繊維で編み込まれているため、機械的な摩耗や引っかき傷に対しても強い耐性を持っていることも利点の一つである。

ただし、ガラス編組は「吸湿性」があるため、水気のある場所や湿度が極端に高い場所での使用には不向きである。あくまで「耐熱」に特化した電線であり、耐水性や耐油性が求められる環境では、フッ素樹脂電線など別の選択肢を検討する必要がある。

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施工上の注意事項:ケーブルではない

電気設計者や施工管理者が最も誤認しやすい点であるが、LKGBは「絶縁電線」であり「ケーブル(シース付き電線)」ではない。したがって、ケーブルラックに敷設したり、天井裏に転がし配線を行ったり、ステップルで造営材に直接固定したりする施工方法は、電気設備技術基準および内線規程において禁止されている。

LKGBを使用する場合は、必ず金属管や可とう電線管の中に収める「管工事」を行うか、あるいは碍子引き工事を行う必要がある。耐熱が必要な場所は往々にして振動や熱伸縮も大きいため、端末処理も含めて慎重な施工計画が求められる。

許容電流とサイズ選定

LKGBは耐熱温度が高いため、同サイズのIV線などに比べて許容電流を大きく取れるという利点もある。周囲温度が高い場所では、通常の電線であれば電流減少係数によって許容電流が激減してしまうが、LKGBであればその影響を最小限に抑えることができる。

サイズは0.75sqから325sqまで幅広く製造されているが、1.25sq以下の細い線は主に機器内部配線用として用いられることが多い。建築設備の電源配線として使用する場合は、端子台への接続性や機械的強度を考慮し、最低でも2.0sq以上のサイズを選定するのが一般的である。

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