電気設備の知識と技術 > 受変電設備の基礎知識 > C-GIS(ガス絶縁開閉装置)・スイッチギア
C-GISはキュービクルに収容されたガス絶縁開閉装置であり、遮断器、接地開閉器、断路器、避雷器、検電装置などを盤内に集約した保護装置である。変電所内の監視盤や送出しのフィーダー盤と並べて配置することで、変電所を小さく納められるという利点がある。C-GISは「ガス絶縁スイッチギヤ」とも呼ばれる。
C-GISは、特別高圧変電設備を構内に設置する場合に、特高変圧器一次側に設置し、電路を電気事故から保護するために採用される。
従来からあるガス開閉装置(GIS)は、採用する場合広い敷地と設置スペースが必要であり、建築物においては限られた敷地面積を大きく占有してしまう大掛かりな機器であった。
変電設備の電気機器は、建築物の収益部門ではなく、できる限り省スペースで計画すべきであり、できる限り面積を小さく抑えることが望ましい。レンタブル比の向上にはこれら機械類のスペースを小さくすることが求められる。
C-GISの開発により、受変電設備における開閉器スペースが1/10~1/5程度まで小さくなり、一般的な電気室内に納めてしまうことが可能になり、建築計画への影響が緩和される。
C-GISには六フッ化硫黄ガス(SF6)という絶縁ガスが充填されており、このガスの高い絶縁性とアーク消弧性能に開閉性能の高さとコンパクト性を確保している。SF6は不燃性の安定した気体で不燃性であり、ガスには爆発性がない。この安定した性能から、開閉器の絶縁材料として極めて広く普及している。
SF6は地球温暖化係数が極めて高く、CO2の20,000倍以上を示すため、ガスの管理や廃棄処理を適切に行わなければならない。
適正な遮断性能を確保するためには、SF6ガス圧の管理が重要である。一般的にSF6ガスは0.05[MPa・G]の圧力が定格とされており、0.03[MPa・G]を下回ることがあれば、ガス圧異常として警報を発報し注意を促す。
ガス圧が不足した状態で特別高圧の電路を開閉すると、アークを正常に遮断できず、遮断失敗による機器破損や停電事故のおそれがあり大変危険である。
接地装置は、ガス開閉装置が正常に開放しているかを確認するために設けられている。ガス開閉器はその機構上、開閉状態を目視できないため、特別高圧電路が充電しているのか、充電していないのかを判断するのが困難である。
電路の表示に異常があり、特別高圧の電路が開放状態と表示されておきながら充電されていた場合、特別高圧の電路においては被害が極めて大きい。事故防止のため、電路開放時は接地装置を大地に接続することで、充電状態ではないことを確認する。
接地装置を大地に接続した状態で充電状態となったとしても、接地装置から大地に電流が流れ一次側の遮断器が電路を遮断するため、万が一の電気事故が発生しても、波及事故を防止できる。