電気設備の知識と技術 > 電気設備用語辞典 > 有効電力
交流回路において、実際に消費される電力量。有効電力は電気機器で実際に消費される電力を示しており、コイル成分やコンデンサ成分を持つ電気機器は電流が遅れるため、有効に電力が消費それ内「無効電力」が発生する。
有効電力と無効電力を足した電力を皮相電力と呼ぶ。皮相電力は、電路に含まれるコイル成分とコンデンサ成分によって決まる「力率」によって左右され、力率が1に近いほど無効電力の値が少なく、有効に電力が消費される状態を示すことになる。
電熱器や白熱電球など、コイル成分やコンデンサ成分を含まない電気機器は力率が1であるため、有効電力と皮相電力が一致し、無効電力は発生しない。
電力会社から供給を受ける電力においては、有効電力に相当する量のみが料金の支払対象となるため、電力量計は有効電力が計測できる製品が設置されており、これが電気代の算定根拠となる。
電力会社は自らが発電した電力について、無効電力をできるだけ小さく、力率をできるだけ「1」に近づけることで発電機や変圧器を効率よく運用できるため、高圧または特別高圧で受電する需要家に対し、需要家側で力率を改善することで電気料金を割引するという契約メニューを提供し、力率が悪い需要家に対しては料金を割増した請求を行っている。
詳細はW(ワット)とVA(ボルトアンペア)の換算・計算を参照。
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