電気設備の知識と技術 > 電気設備用語辞典 > 渦(うず)電流
磁性体の中で磁束が変化すると、レンツの法則によって起電力が発生し、磁性体の内部に誘導電流が渦状に流れる現象。金属体に渦電流が発生すると、渦電流損によるジュール熱が発生し、異常発熱による電線損傷や、火災事故の原因となる。
電気設備技術基準は、三相3線式回路において「各相を別々の金属製電線管に収容する」という施工を禁止している。この禁忌事項は、電磁的不平衡による渦電流の発生により、電線管が加熱されることを防止するため規定されている。渦電流による加熱は数100℃にまで達することがあり、火災や焼損の原因となるため、確実に避けなければならない。
近年ではデュプレックスやトリプレックスのCVケーブルが普及し、高い許容電流を維持しつつも2~3線が一体となっているケーブルがよく使われるが、変圧器直近の大電流が流れる部分では、単心のCVケーブルを敷設することがあるため、保護が必要な場合は樹脂製など非磁性の電線管を使用するのが必須事項となる。
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