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通電火災

停電が発生し、復電した際に発生する火災。主に地震後に発生することが多く、地震によって家具や什器が動いたことにより、配線を傷つけて漏電となったり、電気ヒーターなどが揺れで倒れ、カーペットや衣類に着火するといった事象が多く報告されている。

通電火災は、住人や建物利用者が避難し、無人になった状態で発生することが多く、初期消火が行われないため、高い確率で大きな火災へとつながる。地震後は、本や衣類が散乱し、出火した場合にこれら可燃物に引火すると、燃え広がる速度も早くなりがちである。

ヒーターなどが運良く倒れなかった場合でも、揺れによって衣類やタンス、ベッドなどが移動し、ヒーター本体に近づいたことで加熱されて発火するおそれもある。地震によって停電し、避難する場合には、分電盤のブレーカーをオフにするのが最も安全である。

火災の原因として多く挙げられている電化製品は、多くが電気ヒーターや照明スタンド、オーブントースターなどであるが、「水槽用ヒーター」という事例も多い。水槽の水が蒸発し、ヒーターの本体部分が空焚き状態となると、本体が過熱し出火につながる。水槽は樹脂部分が多いため、これが可燃物となって引火し、火災となる。

水槽用ヒーターにはサーモスタットやヒューズが搭載され、異常加熱した場合には自動で回路が遮断されるが、旧式の製品や、地震等によって本体が損傷した場合に、安全装置が働かないということも考えられる。

感震機能付きブレーカーの採用

近年の住宅用分電盤では、感震装置を搭載することで、震度5を超える大地震が発生した場合、その揺れを信号として検出し、ブレーカーを自動で遮断する「感震ブレーカー」という機能も存在する。安全機能が付加された分電盤の採用により、避難時のブレーカー切り忘れを防止でき、高い安全性が担保される。

このような安全装置を取り入れたり、避難後に帰宅した場合、すぐにブレーカーをオンにしてはならない。電線の損傷は見分けがつかず、自らブレーカーをオンにした瞬間に発火するおそれもあり大変危険である。燃えやすいものが近くにないか、電線が家具に潰されていないか、切断されていないかを十分確認した上で、復電するのが望ましい。

 
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