電気設備の知識と技術 > 電気設備用語辞典 > つめ付きヒューズ
主に低圧の電路において、定格以上の電流が流れた場合に溶断することで、電路を保護するヒューズのひとつ。加熱すると溶ける部分は「可溶体」と呼ばれる。可溶体は鉛やスズ、亜鉛の合金である。その先端に「つめ」が付いており、スイッチに取り付けて使用する。主に250V以下の低圧電路で使用する。
つめ付きヒューズをナイフスイッチやカットアウトスイッチに内蔵し、過電流が流れた場合にヒューズが溶断することで、電気回路が保護できる。配線用遮断器で保護しているのと同じ効果が得られる。
カットアウトスイッチにあっては、街路灯用の開閉器の過電流保護にも利用される。ヒューズは一度溶断すると再利用できないため、過電流が繰り返し発生するような場合は、遮断器を使用するのが望ましい。過負荷によって溶断する場合と、短絡によって溶断する場合では、ヒューズの切れ方が違うのが特徴である。
負荷を接続しすぎたり、電気抵抗が増大することで発生する「過負荷」によるヒューズ溶断では、ヒューズの可溶体が一部残存することが多い。対して「短絡」によってヒューズが溶断すると、可溶体はほとんど残らず、端子部分に黒ずんだ汚れが付着する。ヒューズ溶断の事故では、ヒューズの切れ方を目視点検することで、過負荷によるか、短絡によるか判別可能である。
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