電気設備の知識と技術 > 電気設備用語辞典 > トロリ線
2024.4.13
ホイストや走行クレーンなど、移動する必要がある電気機器に対し電源供給するための接触電線。鉄骨など造営材に固定するため、碍子など絶縁体を介して固定する。電車上部に配置しパンタグラフで接触することで電源を供給する製品も、鉄道用トロリ線として普及している。
トロリ線は直線的かつ長距離敷設となるため、また移動する電気機器への電源供給を行う特性から、張力や摩耗に対する強度が高い鋼材が使用される。長距離敷設においては電圧降下の値にばらつきが生じるため、複数のフィードインを設けて電源を供給する。
長距離敷設をすることで熱による伸縮が問題となるため、伸縮吸収のためのエキスパンション部材を必要とする。エキスパンション付近は伸縮が大きくなるため、フィードインは支持点近くに設けるようにし、エキスパンション付近に設けないのが良い。
また、トロリ線は機械的に摩耗するおそれの高い部材であり、架空式の電車線路にあってはすり板が硬いほど、パンタグラフの押上げ圧力が高いほど摩耗しやすい。
トロリ線はバスダクトのように、外部絶縁、ジョイント接続対応、定格電流1,000Aクラスなど、用途に応じた各種機能の付与や、サイズ選定が可能である。トロリ取り付け時には、支持する梁の構造躯体から支持ブラケットを持ち出す必要があるため、構造設計との協議が必要となる。
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