電気設備の知識と技術 > 電気設備用語辞典 > 銅損
銅損とは、導体の抵抗によって生じる電力損失のことで、負荷電流の二乗に比例して増加する特性がある。銅損は、導体自体の抵抗による損失であり、電気エネルギーを熱に変換してしまうため、効率低下の要因となる。銅損は負荷損とも呼ばれ、負荷電流の大小によって損失が変化するという特徴がある。
特に、電動機や変圧器などの電気機器では、銅損は大きな要素のひとつである。例えば、電動機では、負荷が大きくなるほど銅損が増加し、機器自体の温度上昇を引き起こすため、寿命の短縮や故障の原因となることがある。
変圧器の場合は、漏れ磁束による表皮効果によって抵抗が増加し、銅損が大きくなることがある。しかし、変圧器はトップランナー基準などで高効率化が進められており、無負荷損(鉄損)を改善することも合わせて効率向上が進んでいる。
その一方で、銅損の低減も進められている。巻線材料をアルミニウムから銅に変更することで、銅損を低減することができる。ただし、銅はアルミニウムよりも価格が高いため、コストの面でのデメリットがある。また、銅線はアルミニウム線に比べて重くなるため、軽量化が求められる場合には向いていないことがある。
銅損の低減により、効率の向上が期待できるため、環境保護や省エネルギーの観点からも重要な課題である。
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