電気設備の知識と技術 > 電気設備用語辞典 > 投光器
反射鏡やレンズを使用し、前方に高い照度を得られるようにした照明器具。反射鏡やレンズの形状に広角から超挟角まで任意の照射角度をもつビーム光を作り出せるため、スポットライトやフラッドライトとして、ライトアップ・局部照明用として利用されている。
ベース照明としてはスタジアムやグラウンドなど、天井のない大空間用の照明器具として利用されており、電柱や鋼管ポールの上部に多数の投光器を取付け、広角・中角・狭角の投光器を組み合わせて光ムラのない照明空間を計画する。
サーチライトなども投光器の一種で、上空に向けて超狭角の光を当てることにより非日常の演出を行うものである。国外の商業施設に採用実績が多いが、国内では光害への影響から、サーチライトの利用は厳しく制限されている。
投光器は「水銀灯」や「メタルハライドランプ」など、HIDランプ光源を用いたスポットライトが広く普及しているが、HIDランプは特性上点灯に数分の時間を要し、かつ停電や電圧低下による立ち消えが発生すると、再点灯に十数分の時間を要するという欠点がある。
現在では点灯や再点灯性の悪さを改善し、即時点灯が可能な「LED照明」が開発され広く普及している。水銀灯は環境への負担が大きいため生産量や流通量の縮小が図られており、現存しているHID照明から、LEDへの置き換えが進められている。
LEDは素子毎に光束や発色に若干のばらつきがあるため、白い壁を照射すると色ムラが発生することがあるため注意を要する。
寿命も、水銀灯やメタルハライドランプの4~5倍と極めて長く、40,000~60,000時間のランプ交換が不要である。年間3,000時間の運用であれば、10~20年はランプ交換が不要とされるが、ランプの汚れによる光束低下が考えられるため、定期的な清掃を行うことで保守率を向上させるのが良い。
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