電気設備の知識と技術 > 電気設備用語辞典 > 同期インピーダンス
同期発電機の内部インピーダンスには、漏れリアクタンスと電機子反作用リアクタンスがあり、これらの和に電機子巻線抵抗を足したものが同期インピーダンスとなる。同期インピーダンスが小さいと電力系統の安定性が向上するが、効率が悪くなる。
対して、同期インピーダンスが大きい場合には安定性が悪化するものの、高効率な発電が可能であるという特徴がある。
同期インピーダンスが小さい「鉄機械」は、多極・低速な大型発電機に該当する。短絡比が大きく、電圧変動率が小さく、過負荷耐量が大きいという特徴がある。しかし、同期インピーダンスが小さいため、電力系統の安定性は高くない。代表的な発電機として「水車発電機」が挙げられる。
一方、同期インピーダンスが大きい「銅機械」は、高速回転する発電機に該当する。同期インピーダンスが大きいため、効率が高く、発電機の容量あたりの発電効率が向上する。しかし、同期インピーダンスが大きいため、電力系統の安定性が悪くなる。代表的な発電機として「タービン発電機」が挙げられる。
発電機の設計・選定においては、同期インピーダンスの値を適切に選ぶことが重要である。安定性が必要な場合には、同期インピーダンスを小さくすることで電力系統の安定性を向上させることができるが、同時に効率が低下するため、用途に応じてバランスを取る必要がある。
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