蓄積機能
受信機と感知器に持たせられる「非火災報の予防機能」のひとつで、一過性の煙の発生では感知器を即時作動させず、一定時間の継続があってから警報を発信するための機能。受信機の内部機能のひとつとして組み込まれている。
日常生活の中では、タバコの煙、調理中の湯気やコンロ等からの熱気など、火災ではない要因で感知器が反応してしまうケースが少なくない。蓄積機能を設けることで、これら一過性の現象による不要な混乱を防止し、誤報による被害を防止している。
蓄積機能は、非火災報の確率を減らし、自動火災報知設備の信頼性を高める機能として、消防法に規定され広く普及している。感知器の蓄積時間は「5秒を超え60秒以内」と定められており、公称蓄積時間は「10秒以上60秒以内」とされている。
感知器が規定値以上の煙などを検知すると「蓄積」が開始される。設定された蓄積時間が経過しても、連続して煙や熱が検知されている場合に初めて火災信号が確定し、地区音響(ベルなど)が鳴動する。蓄積の途中で煙などが消えれば、蓄積カウントはリセットされる。なお、発信機が押された場合は、緊急性を優先して蓄積機能は自動的に解除され、即座に火災報が発せられる仕組みとなっている。
非火災報(誤報)とは
火災ではないのに感知器が発報してしまうことを非火災報と呼ぶ。煙感知器は煙を検出し、早期の火災発見に役立つ感知器のひとつだが、煙感知器は火災検出感度が高いため、一過性の煙を火災と誤認することがある。非火災報を防止するための蓄積機能によって「一過性の煙であるか」を判断することが望ましい。
蓄積機能が働いている途中で、さらなる火災信号が入力された場合、または発信機が押下された場合は、蓄積機能が解除され即座に火災信号が送信される。なお二信号式受信機と呼ばれる「ひとつの警戒区域内で、ふたつの火災信号を受信した際に火災表示する方式」で警戒している警戒区域内では、蓄積機能を設けてはならないと定められているため注意を要する。












