電極切替盤
電極切替盤の概要と2槽式運用
電極切替盤は、受水槽や高架水槽がメンテナンス用に2槽(または中間仕切りによる2室)に分割されている給水設備において、水位検出用の電極信号を切り替えるための制御盤である。
建築物衛生法などの法規に基づき、貯水槽は定期的な清掃と消毒が義務付けられている。1槽式の水槽では清掃時に全排水が必要となり、建物全体が断水することになるが、2槽式であれば片側の槽を残して給水を継続することが可能となる。電極切替盤は、この「片側運転」を行う際に、満水・減水・渇水警報などの警報発報や、揚水ポンプの自動運転制御を、稼働している側の水槽の水位のみに追従させる役割を担う。
点検時の制御バイパスと警報除外
通常運転時、2つの水槽は連通管(連結管)によって接続され、同一水位で運用されている。しかし、清掃時には連通管のバルブ(仕切弁)を閉鎖し、片側の水を完全に排水する作業が発生する。
この際、電極切替盤を操作せずに排水を行うと、水位検出器(電極棒)が「水なし」を検知し、渇水警報(ブザー鳴動)の発報や、給水ポンプへの運転指令(満水にならないため回り続ける)、あるいは加圧ポンプの強制停止といった動作が一斉に起きてしまう。電極切替盤のスイッチを「No.1槽単独」「No.2槽単独」に切り替えることで、排水する側の電極信号を制御回路から物理的にバイパスし、誤作動や不要な警報を防ぐ仕組みとなっている。
電極棒の構成とポンプのインターロック
水位制御には一般的に「61F(フロートレススイッチ)」と呼ばれる液面リレーと、3本~5本の電極棒(E1~E5)が用いられる。電極切替盤は、単に信号を切るだけでなく、ポンプのインターロックを正常に機能させるために重要である。
特に重要なのが「ポンプの空転防止(渇水停止)」である。片側運転中に、稼働している水槽の水位が異常低下した場合、ポンプが空気を吸い込んで故障(エア噛み・焼損)するのを防ぐため、確実にポンプを停止させなければならない。切替盤は、有効な水槽側の渇水信号(E4またはE5)のみを抽出し、確実にポンプ制御盤へ停止信号を送るよう回路構成する。
設計・施工においては、コモン線(アース)の接触不良が制御不能に直結するため、2槽間の渡り配線や接地極の施工に注意を払うことが望ましい。
動力制御盤の設計方法や注意点については動力制御盤の設計と計画を参照。












