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ダイヤル温度計

変圧器の保護と温度監視

ダイヤル温度計は、感温部で検知した温度を機械的な指針によってアナログ表示する計測器である。電気設備分野においては、主に油入変圧器やモールド変圧器の温度管理用として広く採用されている。

単に現在の温度を表示するだけでなく、設定した温度に達した際に接点を閉じる「警報接点(マイクロスイッチ)」や、過去の最高到達温度を記録して残す「最高指針(置き針)」を備えており、変圧器の過負荷監視や異常発熱の早期発見を行うための保安装置として機能する。

変圧器の種類と測定レンジ

測定温度範囲(レンジ)は、変圧器の絶縁種別や冷却方式によって異なる。

  • 油入変圧器用:絶縁油の温度を測定するため、通常は0~120℃のレンジが使用される。
  • モールド変圧器用:コイル温度または鉄心付近の雰囲気温度を測定するため、より高温となる0~150℃または0~200℃のレンジが使用される。
キュービクルに収容された変圧器温度管理用のダイヤル温度計

温度警報設定の基準と根拠

ダイヤル温度計の警報設定値は、変圧器の絶縁階級(耐熱クラス)に基づいて決定されるのが一般的である。

汎用的な油入変圧器の場合、絶縁階級は「A種」が採用されている。JEC規格(電気学会電気規格調査会標準規格)において、A種絶縁の最高許容温度は105℃とされているが、変圧器の温度上昇限度は周囲温度40℃を基準として55℃(油温上昇)と定められている。

基準周囲温度 40℃ + 温度上昇限度 55℃ = 95℃

この計算に基づき、メーカー標準設定や推奨値として95℃が採用されることが多い。ただし、95℃は許容限度ギリギリの値であるため、運用上の安全を見込んで90℃で警報(アラーム)を発報させ、過負荷運転の是正や換気ファンの運転を促す設定とすることも推奨される。最終的な設定値は、電気主任技術者の管理方針や施設の重要度に応じて決定する。

設置環境と振動対策

変圧器は励磁電流による磁歪現象で常時微細な振動(商用周波数の2倍の周波数)を発生している。ダイヤル温度計の内部機構は精密な歯車などで構成されているため、振動が直接伝わると指針の振れや内部部品の摩耗、接点不良を引き起こすリスクがある。

そのため、本体取付時には防振ゴムを介して絶縁するか、可能な限り変圧器本体ではなく、振動の少ないキュービクルの扉面や独立した計器盤に設置することが望ましい。導管(キャピラリーチューブ)を用いて遠隔指示とする場合は、チューブの破損や屈曲にも十分な注意が必要である。

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