電気設備の知識と技術 > 電気設備用語辞典 > タイトラキャップ
タイトラキャップとはトラッキング防止用に用いられるコンセントプラグに付属した安全キャップである。差込プラグの刃の根元を絶縁することで、ほこりがコンセントのソケットとプラグの隙間に堆積しても、充電部分が保護されているためトラッキング状態に進行せず、火災を防止することができる。
トラッキングに進行しない状態ではあるものの、隙間にほこりが蓄積した状態を継続させるのは好ましい状態ではなく、定期的な清掃は実施すべきである。コンセントが衝撃や引っ掛けによって抜けかけの状態になってしまった場合、タイトラキャップを超えてトラッキングを起こしてしまう可能性もある。
特に、冷蔵庫の背面、テレビの背面、タンスなど収納の背面にあるコンセントなどは清掃が行き届かなく、トラッキング火災の発生しやすい箇所となっている。冷蔵庫の背面は特に環境が過酷であり、湿度が高く油脂分が付着しやすいため、ほこりが粘着質となり導通状態になりやすい。冷蔵庫は移動させることも難しく、コンセントを隠してしまうと清掃することができなくなる。
トラッキング現象とは、コンセントに差しっぱなしの電源プラグの刃にほこりが付着し、これが電気回路と接触することで発生するショート現象のひとつである。ショートによりプラグ部分が異常発熱し、ほこりやコード部分が燃え上って火災につながるおそれがある。
タイトラキャップは、トラッキング現象を未然に防ぐために開発されており、タイトラキャップをプラグの刃に装着することで、刃の根元が絶縁され、隙間にほこりが侵入しても電気回路に接触することがなくなるため安全性を高めることができる。家電製品一体のプラグにあっては、タイトラキャップ付きとしているメーカーも数多いがユーザーがキャップを取り付けることも可能となっている。
タイトラキャップをユーザーが自ら取り付ける場合、プラグの刃の汚れを事前にしっかり落とし、根元に接着剤を塗布し、ゆるみや隙間が発生しないよう押し込んで密着させることが重要である。隙間があってはトラッキング防止を図ることができない。
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