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タンパースイッチ

機器への不正アクセスと破壊工作の検知

タンパースイッチは、セキュリティ機器や制御盤の筐体内部に設置される「こじ開け防止用スイッチ」であり、防犯設備の信頼性を担保する重要な構成要素である。「Tamper」とは「いじる」「改ざんする」という意味を持ち、正当な権限を持たない者が機器のカバーを開けたり、壁面から取り外そうとしたりする破壊工作を検知し、即座に警報を発報する仕組みである。

一般的に、マイクロスイッチや光学センサーが用いられ、カバーが閉じている状態では接点が押されて閉回路となり、カバーが開くと接点が離れて開回路(遮断)となる「b接点(NC:Normally Closed)」動作が基本である。これにより、スイッチの故障や配線の切断が発生した場合でも、異常(警報)として検出できるフェイルセーフ設計となっている。

24時間監視(常時ループ)の構成

防犯センサーの検知信号は、警備セット中のみ有効となるが、タンパースイッチの信号は、警備が解除されている昼間であっても「24時間常時監視」される設定とするのが原則である。

これは、営業時間中などの警戒解除中に、内部犯行や下見に来た侵入者がセンサーを無効化(マスキングや配線切断)する工作を防ぐためである。セキュリティコントローラー側では、センサー用入力とは別に24時間ループのタンパー専用入力を設けるか、あるいは終端抵抗を用いた配線により、1対の配線で「センサー発報」と「タンパー異常・断線」を電圧レベルの違いで識別する方式が採用される。

カバ-タンパーとウォールタンパー

高度なセキュリティが求められるパッシブセンサーやカードリーダーには、2種類のタンパースイッチが内蔵されることがある。

一つは、表面カバーを開けた際に作動する「カバータンパー」である。もう一つは、機器本体を壁面から無理やり引き剥がした際に作動する「ウォールタンパー」である。

ウォールタンパーは日本国内仕様ではあまり普及していない言葉であるが、背面の取付ベースと壁面の間にスイッチが設けられており、機器ごと持ち去ろうとする盗難行為や、破壊行為に対して有効である。施工時には、壁面の凹凸によってスイッチが正常に押し込まれない場合があるため、取付面の平滑性を確保するか、スペーサー調整を行うなどの留意が必要である。

情報機器におけるデータ消去機能

物理セキュリティだけでなく、暗号鍵を管理するHSM(Hardware Security Module)や決済端末(クレジットカードリーダー)などの情報セキュリティ機器においても、タンパースイッチは極めて重要な役割を担う。

これらの機器では、筐体の開封を検知した瞬間に、内部の揮発性メモリへの電力供給を遮断したり、特定の回路をショートさせたりして、保存されている暗号鍵や機密データを物理的に消去(ゼロ化)する機能が組み込まれている。FIPS 140-2などのセキュリティ規格では、このような対タンパー性の実装が厳格に要求されている。

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