電気設備の知識と技術 > 電気設備用語辞典 > スコット変圧器
2024.2.23
三相3線式の電路から、単相3線式の回路を2系統取り出すことができる特殊結線変圧器のひとつ。三相3線式の電路のうち2本の電線を取り出せば単相2線式として取り扱うことができるが、電路の不平衡につながり悪影響を及ぼしてしまう。スコット変圧器を用いて単相回路を2系統取り出せば、負荷を均一に接続することでバランスを維持することができる。
大型のスコット変圧器は特注仕様となるため、10kVAから100kVA程度までが一般的に採用される。10kVAのスコット変圧器を選定した場合、5kVAの単相3線式回路が2系統を取り出すことができる。
スコット変圧器は、三相3線式の非常用発電機より供給される電源から単相回路を取り出したい場合に、広く採用されている。非常用発電機は出力が小さいため、電灯回路を取り出そうとすると不平衡になりやすい。スコット変圧器を用いることで単相回路を取り出した場合であっても、負荷を平衡しやすいというメリットがある。近年では太陽光発電設備やリチウムイオン蓄電池からの電源供給も普及しているため、3kVA~10kVA程度の小型スコットトランス盤を設ける事例も増加している。
低圧電路から電線を取り出すため、ケーシングなどには保安接地として電圧に応じてC種またはD種接地工事を施す。変圧器二次側の中性線に対してB種接地工事を施すことで、漏洩電流の検出が可能となる。
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