スポットネットワーク
スポットネットワーク方式は、高い電力供給信頼性を実現する受電方式である。主に都市部の重要施設、大規模オフィスビル、データセンター、病院などで採用されている。この方式は、単一の供給源に依存することなく、複数のルートから同時に電力を受け入れることで、停電のリスクを最小限に抑えることが可能となる。
スポットネットワーク方式の仕組み
スポットネットワーク方式では、通常、最低3回線以上の特別高圧配電線から受電する。3回線の配電線を需要家内に引込み、各配電線に対応したネットワーク変圧器の二次側をネットワーク母線に並列接続する方式
1回線が停電しても、残りの変圧器を過負荷運転にして電力供給することが可能である。異なる変電所や異なるルートを経由した複数の配電線から電力を引き込む。これにより、ある回線で事故が発生しても、他の回線は影響を受けずに供給を継続できる。
各受電回線には専用の変圧器(ネットワーク変圧器)が設置される。これらは特別高圧から需要家が使用する電圧に変成する。各変圧器の二次側が接続される共通の母線はネットワーク母線と呼ばれ、健全な回線からの電力がここで合流し、需要家設備へ供給される。
ネットワーク変圧器はスポットネットワーク受電専用の特殊変圧器であり、プロテクタヒューズとネットワークプロテクタ遮断器を含むネットワークプロテクタを構築して受電を行う。非常に高信頼性な受電設備だが、設備コストが高いというデメリットがある。
プロテクタは、電力系統を常時監視している。ある回線で停電や事故が発生し、健全な回線からの電力供給が途絶えたり、逆に母線側から故障回線へ電力が逆流しようとしたりすると、プロテクタが即座にその回線を自動的に切り離す。これにより、残りの健全な回線のみで無瞬断での電力供給が維持される。












