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ステップル

木造建築におけるケーブル支持の基本材料

ステップルは、屋内配線工事においてVVFケーブル(平形ケーブル)などの電線を、木造住宅の天井裏、柱、梁といった木製の造営材に固定するために用いられるコの字型の金属製釘である。電気工事士が使用する最も基本的な支持材料の一つであり、ケーブルのサイズ(1.6mm-2C、2.0mm-3Cなど)に合わせて大小様々なサイズがラインナップされている。

施工対象はあくまで「木材」であり、石膏ボードや土壁、ALC(軽量気泡コンクリート)などの柔らかい材質や脆い材質には、十分な引き抜き強度(保持力)が得られないため使用してはならない。これらの場所に固定する場合は、アンカープラグや粘着テープ付きのモール、サドルなど別の支持材を選定する必要がある。

連結状態のステップル

絶縁被覆の保護と施工上の注意点

ステップルの内側、つまり電線と接触する部分には、絶縁樹脂によるコーティングが施されている製品が一般的である。これは、金属部分が直接ケーブルのシース(外装被覆)に食い込み、絶縁性能を低下させることを防ぐための保護措置である。

施工時の技術的な留意点として、ハンマーで打ち込む際に「強く打ちすぎない」ことが挙げられる。造営材に対して完全に密着するまで打ち込むと、ケーブルのシースが圧迫されて変形し、内部の絶縁体にストレスがかかることで、経年劣化による絶縁破壊のリスクが高まる。電線が動かない程度に固定しつつ、わずかな隙間を残すか、ケーブルの弾性を殺さない力加減で施工するのがプロの技術である。

ビニルコードへの使用禁止と内線規程

電気設備技術基準および内線規程において、ステップルによる固定が認められているのは、VVFケーブルなどの「ケーブル(固定配線用)」に限られる。家電製品の電源コードや延長コードとして広く普及している「平形ビニルコード(VFF)」などのキャブタイヤコード類を、ステップルで壁や床に固定することは厳禁とされている。

ビニルコードは本来「移動電線」として設計されており、ケーブルのような強固な外装(シース)を持たないため、機械的強度が低い。これをステップルで強引に固定すると、金属部分が容易に被覆を突き破り、心線を傷つけて短絡(ショート)したり、半断線状態となって異常発熱による火災を引き起こしたりする重大な事故につながる。コード類を固定したい場合は、ケーブルへの負担が少ないナイロンクランプや、粘着式の配線止め具を使用しなければならない。

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