電気設備の知識と技術 > 電気設備用語辞典 > スーパーダイマ
スーパーダイマは日本製鉄(旧名:新日本製鐵)が開発した高耐食性のメッキ鋼板であり、電気分野ではワイヤリングダクトやケーブルラックといった、配線ルートの確保に用いられる電気部材に多く利用されている鋼材のひとつである。屋外で利用可能な高耐食性の鋼板にはガルバリウム鋼板も代表的であるが、強アルカリ環境には弱いという特性があり、腐食防止としてスーパーダイマ製の部材採用事例が多い。後塗装を行わなくとも高い耐候性があり、素地のまま施工可能なため労務削減にも貢献する。
ガルバリウム鋼板はアルミニウム・亜鉛合金メッキ鋼板であり、耐久性・耐熱性に優れるため屋根鋼板に広く採用されている。ケーブルラックやワイヤリングダクトにも採用事例が多いが、耐食性が高く、ネグロス電工やカナフジ電工といった電材メーカーも数多くの支持材を販売していることもあり、電気設備分野での採用事例は多い。
なお、メーカーが違うが「ZAM鋼板」についても、亜鉛・アルミニウム・マグネシウムの合金であり、スーパーダイマと類似した性質を持つ鋼材である。錆が発生しにくいことから、建物屋上などの過酷な環境だけでなく、塩害地域で利用可能な高い耐候性を持ち合わせている。
いずれも加工性が良いことから、ダクターチャンネルなどの形鋼や、金属管、メタルラス、パンチングメタルといった部材にも広く採用されている。塗装性が良く、意匠性を求める場所で指定色塗装を施すことも可能である。
オールステンレス年経計画では、非常にコストが高くなってしまい経済性の視点から不利となる。求められる性能を維持しながらも、コストダウンを図る手法としてスーパーダイマやZAM鋼板といった合金の採用を検討すると良い。
スーパーダイマは非金属であるマグネシウムを含んでいるが、亜鉛系メッキと同等であるとメーカーが提示している。よって、スーパーダイマ製のボルト・ナットのほか、溶融亜鉛メッキを用いた同電位製品を用いることで、異種金属の接触による腐食を避けることができるとされている。
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