赤色灯
非常用進入口の近くに設ける赤色の照明器具。高さ31m以下の部分にある3階以上には、消防隊が進入するための「非常用進入口」を設けなければならず、外壁にバルコニーを設け、進入用の扉付近に赤色灯を設置する。前面道路や通路から、赤色灯が点灯していることが明らかに識別できるように配置する。
建築基準法に設置基準が定められており、高さ31メートル以下の部分にある3階以上の階には、原則としてこの進入口の設置が義務付けられている。夜間や視界不良時においても、消防隊が地上から進入箇所の位置を即座に識別できるようにするための標識灯であるため、火災による停電が発生しても点灯し続ける必要がある。
さらに非常用進入口は、左右方向に40m以下の間隔ごとに設けることが定められているが、赤色灯を設置せず、10m以下の間隔ごとに「進入口に替わる窓」を設けて対応することも可能である。
外装がカーテンウォールで構成されたオフィスビルなど、バルコニーを設けることが意匠上困難な場合は、外部から開けられる窓を設けることでも代替できる。この場合の非常用進入口は「代替進入口」となり赤色灯の設置は不要となるが、赤色の三角マークを窓面に表示することが義務付けられる。
赤色灯の法的規制
非常用進入口は消防隊のはしご車による消火活動を想定しているが、消防法ではなく建築基準法がその仕様を規定していることに注意が必要である。赤色灯は直径10cmの半球が内接する大きさとし、常時点灯または点滅状態で、予備電源により30分以上点灯しなければならない。一般の者が容易に電源遮断できる開閉器を設けてはならないことも規定されている。
赤色灯は、非常用進入口の前面道路や通路がある場合、幅員の中心から点灯状態が明らかに識別できることが規定されているため、一般的にはパナソニックや東芝ライテックなどの蓄電池付きの既製品を選定するのが基本である。赤色灯の大きさなどは、法規を満足した仕様の製品となっている。電球はLEDとなっており、超長寿命のためランプ交換の手間は非常に少ない。
蓄電池はLED電球と比較して寿命が短く、概ね5年前後で耐用年数を超過する。電池の容量低下を引き起こすと、30分以上の点灯が不可能となるため、定期的な交換を行う必要がある。蓄電池が正常な容量を維持しているかを確認するため、定期的に点検スイッチを押して電池容量の確認をしなければならない。
赤色灯の本体は防水仕様となっているが、蓄電池の電源ブロック部は室内に設け、赤色灯部は外部に設ける。配線を外壁貫通しなければならないため、貫通部の防水処理をすることで建物内部への浸水を防止する。赤色灯と電源部が火災で断線しないよう、MIケーブルまたは耐火ケーブルを使用することが規定されているが、MIケーブルの採用は現実的ではないため、FPケーブルを使用すると良い。
外部から容易に破壊できないような強度の高いガラスは、代替進入口として認められない。網入りガラスのFIX窓、合わせガラス、倍強度ガラスなどは破壊や開放が困難であるため、代替進入口として認められず、破壊できるガラスや、消防活動を行うバルコニーなどの仕様は所轄行政との協議を要する。












