検索キーワードを入力
🏠 電気設備の知識と技術 > 電気設備用語辞典 > 整流形計器
整流器と可動コイル形計器を組み合わせ、交流計測するための計器。可動コイル形計器は直流を測定する計器のため、そのままでは交流測定ができない。交流を直流に変換してから測定することで、安定した指示値を得る仕組みとなっている。
ダイオードを内蔵した整流器によって交流電源を整流し、直流電源に変換した上で、可動コイル形計器にて測定を行う。整流形計器は感度が極めて高く、かつ消費電力が少ないという利点がある。測定対象となる交流信号は、まずダイオードなどを用いた整流回路(全波整流や半波整流)によって直流へと変換される。
整流された直流電流は、可動コイル形(永久磁石可動コイル形)の指示計器に入力される。この種の計器は、コイルに流れる直流電流の大きさに比例して指針が振れるため、電流の平均値に応じた指示を行う。
整流形計器は、構造が比較的単純で、高い感度と良好な直線性を持つという利点がある。また、他の交流計器に比べて消費電力が少なく、周波数特性も比較的良好である場合が多い。
正弦波の交流回路でなければ誤差を生じることがあるため、測定時に注意を要する。第3高調波が混入している「ひずみ波形」を計測する場合「近似実効値整流方式」と呼ばれる補正機能を持つ計器を使用するのが良い。
整流形計器は電圧計、電流計に使用する。整流器を介して計測する特性上、交流のみ測定可能とされている。目盛り調整が正弦波を基準としているため、測定対象の波形が歪んでいたり、高調波を多く含んでいたりする場合(例えば、インバータ出力やスイッチング電源の波形など)、指示値に誤差が生じる。
このような非正弦波の測定においては、波形率が1.11からずれるため、正確な実効値を知ることができない。