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静電形計器

静電形計器は、静電気(静電力)の力を利用して電圧を測定する装置であり、特に高電圧分野や微小な電力消費が求められる場面で用いられる。コンデンサに電圧を印加した際に発生する「静電引力(クーロン力)」で計測するもので、主要な構成要素は、固定された電極と、可動式の電極である。この2つの電極がコンデンサを形成している。

固定電極と可動電極を組み合わせ、電圧印加時に発生する静電力を利用した計器であり、固定電極と可動電極の両方に高電圧を印加すると、電極間に静電力が働くため、この静電力による吸引を利用して測定する。静電力によって駆動トルクが発生して、指針が動くのでこれを読み取る。可動部の動きは、復元バネや重錘(じゅうすい)による機械的な力と釣り合うため、釣り合った位置で指針が停止し、目盛りによって電圧値を示す。

静電形計器は電流をほとんど流さず、理論的には絶縁抵抗のみであるため、微小なエネルギーしか持たない回路の測定において極めて重要である。発生する静電力は電圧の2乗に比例するため、電圧が高くなるほど大きな指示力が得られ、安定した測定が可能となる。電極間の引力は極性に関係なく常に引き合う力として働くため、直流電圧だけでなく、周波数に依存せず交流電圧も測定できる。

静電型計器は静電力による吸引を動作原理としており、静電力が働かない回路では測定ができないため、100Vを下回るような低電圧回路では静電力が働かず、高電圧回路の電圧測定に適している。電力系統や高圧機器の試験など、数kVから数十kVといった高電圧の測定に使用される。外部からの磁界の影響は受けないが、静電界の影響を受けて測定誤差を生じるため注意を要する。

計測対象は交流直流のどちらも可能であるが、交流電圧の測定時は実効値が表示される。周波数の変化による誤差も小さく、測定精度は高い。一般的に広く使われる「可動コイル形計器」は直流専用であり、「可動鉄片形計器」は交流・直流両用だが消費電力が比較的大きい。これらに対し、静電形計器は「低消費電力で高電圧・高周波に対応」という独自領域をカバーしている。

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