電気設備の知識と技術 > 電気設備用語辞典 > 差込形コネクタ
2024.4.9
電線を接続するための配線接続部材のひとつで、被覆をむいた絶縁電線を差し込むことで固定される。リングスリーブなどを用いた接続と違い、圧着ペンチによる作業が不要であり、配線の接続作業が簡素化され労務の削減につながる。
コネクタ本体が絶縁された形状となっているため、接続点のテープ巻きという作業も省略できる。コネクタへの固定は、単線を直接差し込むだけのものや、より線を挿入してレバーを押し下げて固定するものなど、メーカーの製品によって違いがある。
注意点として、コネクタに対して電線を中途半端に接続された状態では、接触不良で絶縁不良となり異常発熱や発火に繋がるおそれがあるため、ゲージで指定された長さまで接続することや、電線を取り外すなどで破損したコネクタを再利用しないこと、電線を接続したことでキズが付いた電線を再度差し込まないことなど、電気工事管理を徹底しなければならない。
JISや公共建築工事標準仕様書にも仕様が記載されているため、幅広く採用することが可能な電線接続部材である。ただし屋内配線用であるため、屋外での配線接続に使用することは避けなければならない。浴室や軒下など、湿度の高い場所であっても同様で、接続点が腐食してしまうおそれがある。
また、差込形コネクタで接続した電線は、電線分岐点となるためボックスに収容しなければならない。
一部の事業主や設計者では、差込形コネクタに対して行ってはならない再接続や、差込不良の管理、屋外利用の禁止など、多くの管理項目があり煩雑となることを理由に、コネクタ利用をそもそも禁止している場合もある。
主要なメーカーは「ワゴジャパン」や「ニチフ」など。
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