ルーバ照明
グレア制御と遮光角のメカニズム
ルーバ照明は、蛍光灯やLEDなどの光源の直下に、格子状または帯状の遮光板(ルーバ)を取り付けた照明器具である。その主目的は、光源からの直接光を物理的に遮断し、特定の角度(遮光角)以上の光が視界に入らないように制御することで、不快なまぶしさ(グレア)を防止することにある。
遮光角(カットオフアングル)は通常30度〜45度に設定されており、この角度以内の領域では光源が直接見えないため、天井面が落ち着いた印象となり、空間のグレード感を高める効果がある。特に、鏡面仕上げのアルミルーバを用いた場合、反射制御によりルーバ自体が暗く見え、光源の存在を感じさせない静謐な空間演出が可能となる。
OA環境とVDT作業への適応
現代のオフィスでは、パソコンのモニターを見ながら行うVDT(Visual Display Terminals)作業が中心である。一般的な下面開放型の照明器具では、高輝度な光源がディスプレイ画面に映り込み、文字や図形を見えにくくする「光幕反射」を引き起こし、作業者の眼精疲労や生産性低下の主因となる。
ルーバ照明は、直下照度を確保しつつ、画面への映り込みの原因となる斜め方向への高輝度な光成分をカットするため、グレアレスな視環境を実現するのに適している。この特性から設計室、監視センターなど、長時間画面を注視する空間で標準的に採用される。
器具効率の低下とメンテナンス性
ルーバは物理的に光を遮る構造体であるため、下面開放器具やアクリルカバー付き器具と比較して、どうしても器具効率(エネルギー消費効率)および照明率が低下する。そのため、同一の設計照度を確保するためには、より多くの台数を設置するか、高出力な器具を選定する必要があり、イニシャルコストと消費電力が増加する傾向にある。
また、格子状のルーバは表面積が広く、埃が付着しやすい上に清掃が困難である。埃の堆積は反射率の低下(照度不足)や美観の悪化を招くため、静電気防止加工が施された製品を選定するか、容易に取り外して洗浄できる構造のものを選ぶなど、運用後のメンテナンス計画も考慮が必要である。
照明設計についての詳細については照明設計の基礎知識と設計手法を参照。












