臨時電力契約
電力会社との電気需給契約のひとつで、電灯や動力を1年未満の短期間で使用する契約のこと。定額制と従量制による契約メニューがあり、定額制は1kWあたり1日につき料金が発生する。従量制は1kWあたりの基本料金に加え、使用した分の従量料金が発生する契約となる。
通常、電力会社との電気供給の契約は1年以上が必須だが、1年に満たない工事現場による仮設電源では、1年以上の契約をできない。状況において、割高にはなるが短い期間での供給に対応するために契約メニューが設定されている。
臨時電力契約を電力会社と結ぶ場合、料金体系が一般の契約よりも2割ほど割高となる。低圧や高圧など広い電圧供給が対応可能で、必要に応じた規模で受給契約を結ぶことになる。
当初1年間以上の期間で臨時電力ではない電力契約を行い、1年を待たずにその契約を廃止する場合、1年未満となる部分は全て臨時電力契約として精算する。電力会社の供給設備を増強するなどをおこなっている場合、その負担金についても臨時電力として精算するため、注意を要する。
臨時電力契約の概要と用途
臨時電力契約とは、建設工事現場や期間限定のイベント会場、屋台など、電気の使用期間が1年未満であることがあらかじめ決まっている場合に適用される電力会社との需給契約である。これに対し、住宅や工場などで1年以上にわたり継続して電気を使用する契約は「常時供給」と呼ばれる。
通常、電力会社は安定的な供給義務を負う代わりに、長期契約を前提とした料金設定を行っている。しかし、工事現場などの短期間かつ需要変動の激しい場所では、設備投資回収の観点から常時供給と同じ条件での契約が難しいため、基本料金や電力量料金が割高で、一般的に約2割増しに設定された専用メニューが用意されている。
定額制と従量制の使い分け
臨時電力の契約メニューには、使用する設備容量や想定使用量に応じて、大きく分けて定額制と従量制の2種類が存在する。
定額制は、契約容量が小さく、かつ総使用電力量が少ない場合に採用される。使用する電気機器の総容量に基づいて、1日あたりの料金単価が設定されており、実際に電気を使ったかどうかに関わらず、契約期間の日数分だけ料金が発生する。計量器(メーター)を取り付けるコストをかけずに、簡易的に電気を使用したい現場や、ごく短期間のイベントなどに適している。
一方、従量制は、契約容量が大きく、ある程度の期間にわたり継続的に電気を使用する場合に採用される。常時契約と同様に電力メーターを設置し、基本料金に加えて、実際に使用した電力量に応じた従量料金を支払う方式である。建設工事が長期化する場合や、仮設事務所で空調やOA機器を多用する場合などは、定額制よりも従量制の方がトータルの電気代を安く抑えられる傾向にある。
1年未満解約時の遡及精算
実務において注意を要するのが、当初は常時契約(1年以上の使用を前提とした通常契約)を結んでいたにもかかわらず、計画変更などにより1年未満で契約を廃止してしまうケースである。
電力供給約款では、常時契約が1年未満で解約された場合、契約開始日に遡って臨時電力契約であったものとみなして料金を再計算し、その差額を精算しなければならないと定められている。常時契約と臨時契約の料金差額は大きいため、解約時に想定外の高額な請求が発生することになる。したがって、使用期間が1年を超えるかどうかが微妙な案件では、工期の延長リスクなども考慮し、慎重に契約種別を選定する必要がある。
工事費負担金の考え方
臨時電力契約に伴い、新たに電柱や変圧器を設置したり、引込線を敷設したりする必要がある場合、その工事費用の負担区分も常時契約とは異なる。
常時契約では、一定額まで電力会社側が負担する場合が多いが、臨時契約の場合は、供給設備の設置および撤去にかかる費用のほぼ全額が、原則として申込者(需要家)の実費負担となる。この工事費負担金は契約電力や工事規模によって大きく変動するため、電気料金そのものだけでなく、イニシャルコストとしての工事費も予算に組み込んでおくことが重要となる。












