電気設備の知識と技術 > 電気設備用語辞典 > ラッシングロッド
ラッシングロッドは、主に電力ケーブルを支えるための金属製の螺旋状ワイヤーロッドである。吊り施工を行うケーブルを保持し固定するために用いる電気設備資材のひとつである。
本体は亜鉛めっき硬鋼線で作られ、防蝕のため塩ビ樹脂にて被覆が施されている。メッセンジャーワイヤーとともにケーブルを吊りながら長距離敷設が可能となる。
ワイヤーロープやチェーンなどと組み合わせて使用し、電力ケーブルをポール間、造営材(建築物)、などの支持構造物に固定することができる。また複数の電力ケーブルを束ねるためにも使用される。
ラッシングロッドの主な機能は、通信ケーブルや電力ケーブルを架空支持固定することである。このワイヤーロッドは、電柱間など電力網の構築にて幅広く使用されている。送電線、配電線、需要家内のケーブルなど場所に限定せず利用されている。
ラッシングロッドの利点は、非常に強力で、耐久性があることである。比較的安価に配線網を構築できることも利点の一つである。さらに、設置と取り外しが簡単で、雨などで濡れても容易に乾燥されるため腐食しにくい。
ラッシングロッドは、メッセンジャーワイヤーとケーブルを同時に巻き込めるサイズを選定しなければならない。メッセンジャーワイヤーの外径と、吊架するケーブル本体の外径を足し、その数値よりも大きなサイズを選定する必要がある。
CVケーブル22sq、メッセンジャーワイヤー8sqにラッシングロッドを取り付ける場合、外径は23.1 + 3.6 = 26.7mm となるので、27mm以上のラッシングロッドを選定すると良い。ただし外形サイズと同じサイズとすると、メッセンジャーワイヤーとケーブルが巻ききれないおそれがあるため、わずかに大きなサイズを選定するのが望ましい。
CVTケーブルは3線撚り線となっているため、メッセンジャーワイヤーを隙間に入れ込むことが可能で、CVケーブルよりも小さな径でラッシングロッドを巻くことが可能である。
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