電気設備の知識と技術 > 電気設備用語辞典 > ライフサイクルコスト
建物を建築し、運用・保全し、取り壊すまでに要する費用総額。LCCとも呼ばれる。建物を建設するための建設費だけでなく、建設を行うための企画、研究、設計、施工、運用、補修、改造、解体廃棄に至るまで、全ての過程で発生するトータルコストである。
建築物であれば、固定資産税や火災保険など、建物を使用するために必要なこれら掛け金についてもライフサイクルコストに含むことになる。なおライフサイクルコストの概念は建築物だけでなく、橋梁や道路の土木構造物にも適用される。
製造者、利用者、使用者の立場ごとにライフサイクルコストに含まれる内容は違っており、製造者にあっては、企画・設計開発・生産製造・運用・使用中の保証保全・使用期間終了後の回収や廃棄処分までを全てライフサイクルコストに含み、これに掛かる保険や税金、文書管理のコストを含むことでライフサイクルコストが算出できる。
使用者にあっては、購入・搬入据付・試運転・使用のための教育訓練・点検・部品交換や更新といったコストが発生する。使用期間終了後に売却や買い取りが見込まれている場合は、コストをマイナスするといった試算も可能である。
コストを検証する場合、イニシャルコストが安価であってもランニングコストが高価であれば、総合的な判断を行えない。製造者、購入者、使用者全てにおいて発生するライフサイクルコストを算出することが重要視されている。
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