雷サージ
過渡的な異常電圧と電流の総称
雷サージ(Lightning Surge)は、落雷に伴って発生し、電線や通信線などを伝わって建物内に侵入する、極めて短時間の異常高電圧・大電流の総称である。数万Vから数十万Vに達する電圧のスパイクが発生し、電気機器の絶縁破壊を引き起こす。
雷サージは、建築物に雷が直接落ちる「直撃雷サージ」と、近隣への落雷によって発生した強力な電磁界が電線等に電圧を誘起させる「誘導雷サージ」に大別される。一般家庭やオフィスで発生する電子機器の故障被害の多くは、この誘導雷によるものである。
電子機器への影響と破壊メカニズム
雷サージが電源ケーブル、電話線、LANケーブル、アンテナ線などを介して侵入すると、接続されているパソコン、サーバー、電話交換機(PBX)、火災報知機など、建物内部に設置されている多くの設備機器の内部基板に過大な電流が流れ込む。これにより、半導体素子が焼損したり、配線パターンが溶断したりする。
完全に破壊されずとも、内部素子にストレスがかかり、経年劣化を早めたり、原因不明の誤動作を繰り返すようになったりすることもある。特に、省電力化が進んだ現代の電子機器は、低い電圧で動作しているため、わずかなサージ電圧でも致命的なダメージを受けやすい。
SPDと等電位ボンディングによる対策
直撃雷のエネルギーはあまりに巨大であるため、これを電気機器側で完全に防ぐことは、現在の技術レベルでは事実上不可能とされている。したがって、雷対策の主眼は、誘導雷サージによる被害を最小限に抑えることに置かれる。
具体的な対策としては、分電盤やコンセントにSPD(サージ防護デバイス)を設置し、侵入したサージ電流を瞬時に大地(アース)へバイパスさせて電圧を抑制する方法が基本となる。あわせて、建物内の金属製配管、筐体、アース線をすべて電気的に接続し、各部との間に電位差を生じさせない「等電位ボンディング」を行うことで、機器間での放電を防ぐ設計が求められる。
直撃雷や誘導雷によって発生するサージ電圧の対策等については直撃雷・誘導雷の特徴と安全対策を参照。












