ノーマルオープン(N.O.)
ノーマルオープン(a接点)の概要と動作
ノーマルオープンとは、スイッチや継電器などの接点機構において、操作や通電が行われていない常態のときに回路が開いている接点のことを指す。英語表記のNormally Openの頭文字をとってNO接点、あるいはJIS図記号の定義からa接点(Arbeitskontakt:メイク接点)とも呼ばれる。
動作原理としては、リレーコイルへの通電やスイッチの押下といった外部からの指令がない限り、電気回路は遮断されたOFF状態を維持する。指令が入力された瞬間のみ接点が接触して導通し、回路が閉じてON状態となる。これは、パソコンのキーボードなど、日常的に目にする一般的な接点方式である。
ノーマルクローズ(b接点)との比較
対となる概念にノーマルクローズがある。こちらはNormally Closedの略でNC接点、あるいはb接点(Break contact:ブレイク接点)と呼ばれる。こちらは逆に、常態では回路がつながってON状態であり、操作されたときだけOFFになる仕組みである。
両者の使い分けは、単にONとOFFが逆というだけでなく、制御回路における役割が明確に異なる。
- ノーマルオープン(a接点):主に機器の「起動」「開始」指令に使用される。信号を送ったときだけ動く、という能動的な動作に適している。
- ノーマルクローズ(b接点):主に機器の「停止」「インターロック」指令に使用される。常に信号を送り続け、信号が途絶えたら止まる、という受動的な監視に適している。
フェイルセーフの観点から見た選定
設備設計において最も重要なのが、配線の断線や接触不良が発生した際に、システムが安全な側へ動作するよう設計するフェイルセーフの思想である。この観点から接点選定を行うことが重要となる。
例えば、非常停止ボタンには一般的にノーマルクローズ(b接点)が使用される。これは、もしスイッチの配線が途中で断線した場合でも、回路が遮断されて「ボタンが押された」のと同じ状態になり、機械が安全に停止するためである。もし非常停止にノーマルオープン(a接点)を使ってしまうと、断線時にはボタンを押しても信号が伝わらず、緊急停止できないという危険な状態に陥る。
逆に、回転灯などの警報装置にはノーマルオープンが用いられる。断線時に誤って警報が鳴り続けるのを防ぐためである。このように、トラブル時に「止まるべきか」「動くべきか」を考慮して接点を選定する必要がある。
PLC(シーケンサ)における扱い
現代の制御盤で多用されるPLC(プログラマブルロジックコントローラ)においても、この概念は基礎となる。ラダー図プログラミングにおいては、信号が入力されたときに導通する素子を「常開接点(a接点)」、信号入力がないときに導通している素子を「常閉接点(b接点)」として配置する。
物理的なスイッチがa接点であっても、プログラム上でb接点として扱うことで論理を反転させることも可能だが、前述の断線検知などのハードウェア的な安全性を担保するためには、プログラムだけでなく物理的なスイッチの接点選定から正しく行う必要がある。












