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二次抵抗制御

巻線形誘導電動機と比例推移

二次抵抗制御は、巻線形誘導電動機にのみ適用可能な速度制御方式である。かご形誘導電動機とは異なり、回転子(ローター)の巻線がスリップリングとブラシを介して外部端子に引き出されており、ここに可変抵抗器(二次抵抗器)を接続することで制御を行う。

この制御の基本原理は「比例推移」という特性にある。二次回路の抵抗値を増加させると、最大トルクの大きさは変わらずに、最大トルクを発生する「すべり」の位置が抵抗値に比例して移動する。これにより、負荷トルク一定のまま回転速度を任意に低下させたり、始動時の特性を変化させることが可能となる。

始動トルクの増大と始動電流の抑制

二次抵抗制御の最大のメリットは、速度制御よりもむしろ「始動特性の改善」にある。誘導電動機は始動時に定格の5~8倍もの大電流(始動電流)が流れるが、二次抵抗を挿入して始動することで、この電流を大幅に抑制できる。

同時に、比例推移によって最大トルク発生点を始動時(すべり100%)に移動させることで、極めて大きな始動トルクを得ることができる。この「低電流・高トルク」という特性から、大きな慣性モーメントを持つクラッシャー、クレーン、巻上機などの重負荷始動用として、現在でも特定の産業分野で採用されている。

スリップリングの摩耗と熱損失の増大

設計上の欠点は、エネルギー効率の悪さとメンテナンスの手間にある。二次抵抗制御による減速運転中、回転数に寄与しなかった電力は、全て外部抵抗器でジュール熱として消費される。速度を落とせば落とすほど効率は悪化し、抵抗器からは莫大な熱が発生するため、設置場所の放熱設計や冷却ファンの設置が不可欠となる。

また、回転体に接触して電力を取り出す「ブラシ」と「スリップリング」は機械的な摩耗部品であり、定期的な交換と清掃(カーボンブラシの粉塵除去)が必須となる。粉塵による絶縁低下や、接触不良による火花発生のリスクがあるため、防爆エリアやクリーンルームでの使用は困難である。

インバータ制御とセルビウス方式への移行

近年では、メンテナンスフリーなかご形誘導電動機とVVVFインバータを組み合わせた制御方式が主流となり、単純な二次抵抗制御の採用は減少している。インバータであれば、回生電力を電源に戻すことで省エネが可能であり、ブラシ交換の手間もない。

ただし、大容量ポンプなどで巻線形誘導電動機を使用する場合には、二次側の電力を熱として捨てず、インバータを介して電源側に回生させる「セルビウス方式(二次励磁制御)」が採用されることがある。これは二次抵抗制御の発展型であり、高効率な可変速運転を実現する技術として浄水場やプラント設備で利用されている。

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