電気設備の知識と技術 > 電気設備用語辞典 > 二次抵抗制御
巻線形誘導電動機の速度制御において、二次抵抗制御は一般的な方式の一つである。この制御方式では、モーターの二次巻線回路に抵抗を挿入して二次抵抗値を調整し、モーターの回転数を制御する。二次抵抗制御により、モーターの回転数を低下させることができ、これによって負荷に応じた適切なトルクを発生させることができる。
しかし、二次抵抗制御にはいくつかの欠点が存在する。抵抗を使用するため、ロスが発生し効率が低下する。かつ、抵抗を利用しているため始動時のショックが問題となることがある。それでも、この制御方式はシステムが簡易かつ安価であることや、トルク特性が良好なことから幅広く利用されている。
ただし、二次抵抗制御は巻線形誘導電動機にしか適用できないという制限がある。かご形誘導電動機を速度制御する場合、極数を変化させて同期速度を変えるか、インバータを用いて周波数制御と電圧変化を制御することが一般的である。
二次抵抗制御は、かつては非常に一般的な速度制御方式であった。しかし、現代の技術の進歩により、より高度な制御方式が開発されており、例えばベクトル制御などの制御方式が使用されている。それでも、二次抵抗制御は多くの産業で使用されており、古くからある技術の一つである。
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