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棟上導体

水平導体による受雷部システム

棟上導体は、建築物を落雷から保護する「受雷部システム」の一種であり、屋上スラブやパラペットの頂部に沿って敷設される水平導体である。JIS A4201(建築物等の雷保護)に準拠した避雷設備において、従来の突針(避雷針)に代わる、あるいは併用する受雷部として機能する。

導体には「鬼撚線(おによりせん)」と呼ばれる太い撚り線が用いられ、屋根全体をメッシュ状に覆うことで保護範囲を形成する。メッシュの幅は保護レベル(I~IV)に応じて決定され、例えばレベルIVであれば20m×20m以下、レベルIであれば5m×5m以下といったように、密度を高めるほど保護効率が向上する。

屋上の金物に取り付けられた棟上導体

意匠性とパラペット端部の処理

突針方式と比較して、棟上導体は建築物の高さに影響を与えず、外観上のノイズになりにくいため、意匠性を重視する建築物に適している。屋上機器などの突出物がなければ、水平導体のみで保護範囲を確保することも可能である。

ただし、建物の角(コーナー部分)やパラペットの端部は電界が集中しやすく、雷撃を受けやすい箇所である。そのため、導体を単に這わせるだけでなく、端部においては導体をわずかに突き出して施工するなど、保護角を考慮した詳細設計が必要となる。

銅導体とアルミ導体の特性比較

材質は主に銅およびアルミニウムが採用される。銅導体は導電率が高く、径を細くできるため施工性に優れるが、経年劣化による緑青が発生し、雨水によって外壁や防水層を汚損する「もらい錆」のリスクがある。

一方、アルミ導体は軽量で錆汚れの懸念は少ないが、銅と同等の許容電流を確保するために断面積を大きくする必要があり、曲げ加工などの取り回しがやや難しくなる特性がある。設計時には、屋根防水材との電食適合性やメンテナンス性を考慮して選定する。

避雷設備の設置基準や設計方法については避雷設備の設置基準と計画を参照。

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