電気設備の知識と技術 > 電気設備用語辞典 > 無電極点灯方式
バルブ内に水銀蒸気を封入し、外部から高周波磁界を与えて内部放電させ、ガラス内面に塗布された蛍光体を発光させる点灯方式。無電極点灯方式を採用した電球は「無電極ランプ」と呼ばれる。「LVD照明」と名付けられている。
内部にフィラメントや電極が存在しないため、点滅時に消耗する部品がなく、LEDと同様、約60,000時間の長寿命を持つランプである。製作メーカーによっては100,000時間以上点灯できるとした製品も存在する。
水銀灯の一般的な寿命が12,000時間であるため、5~6倍長寿命のランプとして設定されている。政府の環境政策として「水銀灯の使用を抑制する」という流れがあり、LEDへの置き換えが進む以前は、水銀灯に近似した配光かつ省エネルギーである無電極ランプが普及した。
照明器具が高所設置となる大型の工場や倉庫では、水銀灯やメタルハライドランプの交換時には仮設足場を組立てたり、大型の高所作業車を持ち込むなど、多大なコストや危険性を伴うため、無電極ランプといった長寿命な電球を採用するメリットが大きい。パナソニックでは「エバーライト」という名称で製品化しており、従前から生産・販売が続けられている。
無電極ランプは水銀灯同様、低温または高温の環境にも適合し、LED照明よりも耐候性が高いとされているが、LED側も耐候性を高めた製品が多く生産されており、設置環境による差はそれほど大きくない。LEDは輝度が高く、照射対象に影が出やすいという欠点があったが、影の発生を抑えた製品により欠点は解消されている。
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