無影灯(手術灯)

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無影灯(手術灯)

手術室で使用する専用照明器具で、20,000lx以上の照度を確保でき、手や医療器具をかざしても照射対象に影が発生しないよう、多数の電球が取り付けられている。照射対象に熱を与えないような放熱機構を備えている。高い照度だけでなく、照射対象の本来の色みを再現できるよう、高い演色性が維持されている。

手術の方式によって光の位置を調整する必要があるため、無影灯本体を手術台に近い位置まで上下、左右に移動させられる。

無影灯は手術灯とも呼ばれ、自然光と同様の演色性を得るためにハロゲン電球の白熱電球が使用されてきたが、近年のLED照明の演色性の向上に伴い、LED化が進められている。LEDを使用した無影灯では、効率を最大限まで高めるため、単色のLEDを多数配置することで無色の光を再現するよう設計されている製品があり、無影灯本体を見ると赤や青に発光するLED素子を見られる。

近年の手術灯は、照度100,000lx以上、演色評価数95以上、色温度変更機能付きといった高い性能が求められるようになっているが、LED光源の高性能化により専用の無影灯が開発され、実用化されている。

無影灯をLED化することにより、ハロゲン電球特有のランプ寿命の短さや、ランプから放射される熱の問題が解消される。LED光源の熱は照射面ではなく背面に多く発生することから、照射対象となる患者への負担が軽減される。LED光源は色温度や照度の変更(調光)が容易であり、快適な手術環境を得ることが可能とされている。

従来から使用されているハロゲン電球は寿命が短く1年程度でランプ交換が必要となるが、LEDは8~10年という長寿命により、ランニングコストの低減を図ることが可能である。消費電力も大きく削減可能である。

 
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