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モデル建物法

モデル建物法の概要と法的位置づけ

モデル建物法は、「エネルギーの使用の合理化等に関する法律(省エネ法)」に基づき、建築物の省エネルギー性能を評価するための計算手法の一つである。主に非住宅建築物を対象とし、設計図書から抽出した外皮性能や設備機器の効率を入力することで、基準一次エネルギー消費量に対する設計一次エネルギー消費量の比率を算出する。

かつて、小規模建築物の届出には「ポイント法」と呼ばれる簡易的な評価手法が存在したが、平成25年の省エネ基準改正に伴い廃止された。これに代わる手法として、入力を簡素化しつつも定量的な評価が可能となるよう開発されたのがモデル建物法である。現在、延床面積300㎡以上の建築物確認申請時や省エネ適判、届出において、標準入力法と並んで広く利用されている。

評価指標(BEIm)と算出ロジック

省エネ性能の判定には、一次エネルギー消費量の基準値に対する割合を示すBEI(Building Energy Index)が用いられる。モデル建物法で算出されたBEIは、標準入力法(WEBプログラム)によるものと区別するため、末尾にModelの頭文字を付した「BEIm」と表記される。

この計算手法の特徴は、建物用途(事務所、ホテル、病院、物品販売業など)を選択することで、その用途における「標準的な室構成」や「空調・照明の稼働スケジュール」が自動的に適用される点にある。設計者は、外皮の断熱性能や日射遮蔽性能、および空調機、照明器具、給湯器、昇降機などの機器効率を入力するだけで良いため、全室の床面積や方位を詳細に入力する標準入力法と比較して、計算業務の負担を軽減できる。

標準入力法との差異と安全率

モデル建物法は入力を簡素化している反面、計算結果には補正係数(安全率)が掛けられる仕組みとなっている。そのため、同じ仕様の建物であっても、詳細計算を行う標準入力法に比べて、BEIの値は悪く(大きく)算出される傾向にある。

したがって、ZEB(ネット・ゼロ・エネルギー・ビル)の認証取得や、BELS(建築物省エネルギー性能表示制度)での高ランク取得を目指す場合など、限界まで数値を切り詰める必要があるプロジェクトには不向きである。一方、基準への適合確認(BEI≦1.0)のみを目的とする場合や、標準的な仕様のテナントビルなどでは、計算コストと精度のバランスが取れた有効な選択肢となる。

適用範囲と設計上の留意点

モデル建物法は、かつては5,000㎡以下の建築物を主な対象としていたが、現在は原則として非住宅建築物の全規模で適用が可能である。ただし、複合用途ビルや特殊な室用途を持つ建物の場合、モデル建物法に用意された「モデル」が実態にそぐわないケースがある。

このような場合、実状よりも過大なエネルギー消費量が算出されるおそれがあるため、設計者は建物の特性を見極め、モデル建物法で簡易に済ませるか、標準入力法で精緻に計算するかを適切に判断することが望ましい。

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