電気設備の知識と技術 > 電気設備用語辞典 > マルチメディアコンセント
2024.2.17
テレビ、LAN、電話、電力コンセント、アースといった、複数のメディアインフラに対応した複合コンセントをマルチメディアコンセントと呼ぶ。テレビは1端子と2端子が選定することになるが、1端子の場合は分波器を後付けすればBS放送とCS放送に分けることができる。
住宅のリビングなどに設けることが多く、テレビ、レコーダー、ホームシアター、ゲーム機など、多くの電源や通信が必要となる部分に設けることで、必要な電力や通信インフラをすべて確保し、汎用的に接続可能となるよう計画する。
マルチメディアコンセントの背面ボックスには複数の電線が入線され、浅型ボックスでは配線が曲げきれず施工不能になるおそれがあるため、深型を選定するのを基本とする。特に同軸ケーブルは外装が厚く曲げにくいため、深型を選定しても、施工順序を間違えるとボックスに収納できない場合がある。
マルチメディアコンセントは必要な端子を組込んでいく方法が採用される。コンセントの数、テレビコンセントの数、電話の要否、LANの要否などは自由に設定可能である。背面ボックスに配線が入ることを想定し、強電と弱電の分離、配線施工性を考慮して選定すると良い。
近年では、通信系のマルチメディアコンセントのほか、5.1chサラウンドホームシアターなどに適合した、スピーカーターミナルという製品も存在している。テレビ想定位置とその背面に壁内先行配線をすることで、室内に配線を見せることなく美観向上を図ることができる。
ボックスに金属製の製品を用いる場合、強電線と弱電線の混在になるため、絶縁セパレーターを設けた上でボックスにC種接地工事を設ける必要がある。一般的にD種接地工事しか用意していないことが多いため、ボックスを樹脂とするなど注意を要する。
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