電気設備の知識と技術 > 電気設備用語辞典 > 巻線形誘導電動機
2024.2.17
巻線形の回転子に対し、スリップリング経由で二次抵抗器が接続された誘導電動機。始動時は二次抵抗器によって始動電流を小さく抑え、始動後はスリップリングを短絡し、定格電流で運転する。
三相誘導電動機は構造上「かご形」と「巻線形」に分類され、現在では「かご形誘導電動機」が産業用の誘導電動機として幅広く普及している。
巻線形の電動誘導機は、かご形誘導電動機と違いスリップリングやブラシが設けられており、二次抵抗制御による始動・速度制御を行える誘導電動機として、速度制御を必要とする機器に採用される。
かご形誘導電動機よりも効率は良くない上、スリップリングやブラシといった構成部品が数多く保守に手間がかかるという欠点があるが、始動特性が良好なことに加え、速度制御性が高いという利点があるため、かご形誘導電動機では対応できない「ポンプ用電動機」「電車」「クレーン」といった、大容量が求められる用途での採用実績がある。
現在では、かご形誘導電動機の回転速度をインバーターによってきめ細かに制御できるため、巻線形誘導電動機の採用実績は少ない。
電動機の保護方法や特徴については電動機の種類・保護・遮断器選定を参照。
サイト内検索