区分開閉器

サイトロゴ

電気設備の知識と技術 > 電気設備用語辞典 > 区分開閉器

区分開閉器

受電点の責任区分または財産区分として設置する開閉器で、電気の供給を受ける電力会社との責任分界点となる。低圧受電の場合は引込開閉器盤に収容されるMCCB(配線用遮断器)、架空引込ではPAS(気中負荷開閉器・架空引込用)、地中引込ではUGS(気中負荷開閉器・地中引込用)が一般的に使用されている。

区分開閉器を引込点に設けることで、需要家が電気事故を発生させた場合に、電力会社の配電線や変電設備に悪影響を及ぼさないよう、区分開閉器の地点で事故を遮断できるため、波及事故防止につながる。

区分開閉器には制御電源が必要となるが、引込点と建築物が近接しておらずAC100Vの電源を確保できない場合がある。制御電源が確保できない場合は、高圧電線路からAC100Vを得るためのVT(計器用変圧器)を内蔵した製品を選定するのが良い。

気柱開閉器は高所に設けられることが多く、落雷等によるサージに曝されるおそれが非常に高いため、LA(避雷器)を設けるのが一般的だが、これを区分開閉器に内蔵することも可能である。

過酷な環境に晒させる区分開閉器は、約10年を経過すると事故の可能性が高くなる傾向にあるので、電気主任技術者の指導のもと、定期的な機器交換が求められる。通常、PASの外箱に錆が見られるようになれば要注意状態と考える。交換には停電が必要なため、電力会社との協議が必要である。

VT、LAのほか、地絡事故から保護するための地絡継電器や地絡方向継電器、SOG装置などが収容された高機能な区分開閉器も選定可能で、要求される保護の精度や品質に応じ、最適な区分開閉器の選定が求められる。

塩害地域など過酷な設置環境での区分開閉器の選定では、ステンレス仕様など重塩害対策品を指定し、塩害による絶縁破壊を防止する。多機能な区分開閉器を選定するほど、イニシャルコストが高くなる点に注意を要する。

 
カテゴリー(クリックで開く)
エアコン室外機の写真
電気の仕組み、発電所から家庭に送られる電気の流れ、直流と交流の違いなどを紹介。
風力発電の写真
新エネルギーとして代表的な太陽光発電、風力発電、燃料電池や、排熱再利用など。
ライティングレールに取り付けられたスポットライトの写真
照明設計の基礎知識、実務における応用、電球の特徴と選定方法などの照明設計。
分電盤の測定写真
電気計算の基礎となる幹線設計やケーブルの選定方法、配線器具の計画、電線管の種類と使い分け。
設備時計の写真
電話、LAN、テレビ共聴、構内通信、電気時計など、弱電設備の設計や計画について。
ボックスに収容されたケーブルの写真
電力ケーブル、通信ケーブル、光ファイバーなど数多く存在するケーブルの特徴を解説。
辞書を見る人の写真
電気設備で使用される機器、材料、技術、指標や単位を解説したオンライン電気設備用語辞典。
柱上に取り付けられた変圧器と電線の写真
受変電設備の設計、各種保護装置の選定方法、受変電設備を構成する保護リレーの種類と整定方法など。
誘導標識の写真
非常用照明、誘導灯、自火報、非常用発電機、防災用蓄電池など、災害発生時に使用する防災設備を学ぶ。
机の上に置かれた辞書の写真
電気設備の関連業務を行うにあたり、必要と考えられる各種資格について学ぶ。
自然をイメージした植栽の写真
カーボンニュートラルを達成し、二酸化炭素の排出を削減と吸収の技術について解説。

サイト内検索