電気設備の知識と技術 > 電気設備用語辞典 > 混触(混触防止板)
「特別高圧や高圧の電路」と「低圧電路」が変圧器によって変圧されている系統で、変圧器一次側結線と二次側結線が接触した状態。混触が発生すると、二次側に一次側と同じ電圧が発生してしまい非常に危険であり、電気事故のひとつに数えられる。電圧だけでなく、系統が違う2つの回路が接触してしまうことも混触事故に含まれる。
変圧器の混触事故が発生すると、低圧電路に高圧が発生することになり、低圧の規定に準じた絶縁性能しかない部分に高圧が印加されることになり、接続された電子部品の破壊、人体への感電、電気機器焼損による火災につながる。異常電圧を抑制するためにはB種接地工事を施すことが効果的で、発生電圧を150V以下に抑えるよう電気設備技術基準によって規定されている。
混触を防止するため、変圧器の一次側コイルと二次側コイルの間に設置する金属板を混触防止板という。変圧器を非接地で運用したい場合に使用するが、混触防止板はB種接地工事、外箱はA種接地工事が必要となる。
混触防止板付き変圧器は一般用変圧器より高価となるが、地絡事故時に大きな地絡電流が流れず、かつ高圧側で発生した雷サージや開閉サージといった異常電圧に対しても遮蔽効果があるため、各種制御装置やOA機器、医療機器などへの電源供給にも活用されている。
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