コルゲートケーブル
コルゲートケーブルの概要と構造
コルゲートケーブルとは、ケーブルのシース(外装)内側に、波状に加工した金属管(コルゲート管)を施したケーブルの総称である。「コルゲート(Corrugated)」とは「波形の、ひだの付いた」という意味を持つ。一般的に「MAZV」などの型番で表記されることが多い。
構造としては、通常のCVケーブルやCVVケーブルなどの外周を「波付金属管(鋼、ステンレス、アルミなど)」で覆い、さらにその上から防食層(ビニルシースなど)で被覆している。この波状構造により、金属製でありながら高い可とう性(柔軟性)を維持しており、曲げ施工が容易であるという特徴を持つ。
コルゲートケーブルは電力ケーブルだけでなく、制御ケーブルや通信ケーブルにも適用可能で、VVF、CV、CVVなど各種ケーブルに適用できるため、多数のラインナップがある。
直接埋設によるコスト削減効果
コルゲートケーブルのメリットは、高い機械的強度(耐衝撃性・耐圧縮性)を持っているため、保護管(電線管)を使用せずに直接埋設(直埋)が可能である点である。
通常、ケーブルを地中に埋設する場合は、FEP管(波付硬質ポリエチレン管)や金属管などの管路を布設し、その中にケーブルを通線する必要がある。しかし、コルゲートケーブルを採用すれば、これらの管路工事や通線作業を省略できるため、材料費と施工手間の両面で大幅なコストダウンと工期短縮が可能となる。
防鼠・防蟻対策としての有効性
地中埋設において大きなリスクとなるのが、ネズミによる「咬害」や、シロアリによる「食害」である。通常の樹脂シースのみのケーブルでは、これらによって絶縁体が齧り取られ、地絡事故に至るケースがある。
コルゲートケーブルは、内部が金属層で完全に覆われているため、物理的に歯が立たず、極めて高い防鼠性(ぼうそせい)・防蟻性(ぼうぎせい)を発揮する。そのため、工場地帯や自然豊かな地域、あるいは飲食店周辺など、生物被害が懸念されるエリアでの屋外配線として最適である。
施工上のデメリットと保守性
多くのメリットがある一方で、運用・保守面では無視できないデメリットも存在する。
- ケーブル更新の難易度:電線管敷設であれば、将来的なケーブル張り替え時に管内のケーブルを抜き替えるだけで済むが、直接埋設されたコルゲートケーブルは地面と一体化しているため、交換するには地面を再度掘削しなければならない。
- 外傷への注意:最外層の防食ビニル層は、コンクリート敷設時や砂利埋め戻し時に鋭利な石などで傷つきやすい。防食層が破れると内部の金属管が腐食する原因となるため、埋設時には施工図を整備し、かつ埋設シートを多重に敷き込むなどの配慮が必要である。
金属外装の接地処理
施工上の重要なポイントとして、金属外装(コルゲート層)の接地が挙げられる。コルゲート層は電気を通す金属であるため、万が一ケーブル内部で絶縁破壊が起きた場合や、誘導電圧が発生した場合に、金属外装部分に電圧が誘起される危険性がある。
そのため、端末処理を行う際には、専用の接地金具やクリップを用いて金属外装部分からアース線を引き出し、D種接地工事(高圧の場合はA種接地工事)を施して電位上昇を防ぐ必要がある。この接地処理を怠ると、メンテナンス時に作業員が感電する事故につながるため、施工管理者は確実に実施を確認しなければならない。












