業務用電力
高圧受電における標準的な契約メニュー
業務用電力は、契約電力が50kW以上となる高圧受電または特別高圧受電の需要家において、主にオフィスビル、商業施設、ホテル、病院など、電灯負荷と動力負荷を合わせて使用する施設を対象とした電力契約メニューである。一般的に休日に負荷が少なく、夜間に電気をあまり使わない「ビル施設」などではこの業務用電力が標準的に採用される。
本契約は、電力需要が高まる夏期(7月1日から9月30日)の電力量料金単価が高く設定され、それ以外の季節(その他季)は割安に設定されているのが特徴である。
空調需要による夏のピーク電力を抑制することを誘導する料金体系であり、蓄熱槽の活用や空調の省エネ運転、太陽光発電による自家消費など、夏期のピークカット対策がランニングコスト削減に直結する。
実量制契約とデマンド管理
業務用電力の基本料金決定方式には、主に実量制でありスマートメーター等で計測した最大需要電力に基づく方式が採用される。これは、過去1年間における30分ごとの最大需要電力(デマンド値)のうち、最も高い値をその月の契約電力とする仕組みである。
たった一度でも突出した電力使用が30分平均で発生すると、その後1年間の基本料金がその高い値を基準に算定されてしまうリスクがある。そのため、電気設備設計および管理においては、デマンドコントローラーを設置し、目標値を超えそうな場合に空調機を自動制御に能力抑制させたり、警報を発して手動介入を促したりする、デマンド管理システムの導入が重要となる。
力率割引と進相コンデンサの設置
電気料金の請求額には力率割引および割増の制度が適用される。これは平均力率85%を基準とし、力率が1%上回るごとに基本料金が1%割引され、下回る場合は1%割増される仕組みである。力率を改善することは、電気料金の削減だけでなく、変圧器や配電線路の損失低減、電圧降下の抑制にも寄与するため、電力会社は需要家側の力率改善にインセンティブを与えることで、送配電線や発電所・変電所の効率化を測っている。
設計者は、受変電設備内に適切な容量の進相コンデンサおよび直列リアクトルを設置し、負荷変動に応じて自動力率調整器(APFC)でコンデンサを開閉制御することで、常に高い力率(目標95%以上)を維持できるよう計画することが求められる。












