計器用変圧器
高電圧回路の計測を行う場合に、高電圧を直接計測するのは計測機器への負担が大きいため、高圧から低圧に変換するために使用する計器用の変圧器。VT(Voltage Transformer)と表現する。PT(Potential Transformer)と表現される場合もある。保護継電器や取引用電力量計などに接続して使用する。
測定対象電圧を高電圧のまま計器や継電器に印加するのは、測定機器の絶縁性能を高める必要があり不合理である。計器や継電器においては、取り扱いの容易な低圧に変換して、倍率を掛けて測定するのが一般的である。高電圧を計器で扱いやすい低電圧(通常110V)に変換する。
二次側端子間に接続できる負荷は小さく、15VA、50VA、100VA、200VAが一般的である。定格負担以上の負荷は測定結果に誤差を生じるため、余裕のある選定が必要となる。
温度上昇が限界値となる負荷容量を「制限負荷」としており、制限負荷以上の負荷を接続すると、異常発熱による焼損を引き起こすため注意が必要。
- 気中モールド形:樹脂で固められたコンパクトなタイプで、屋内配電盤などで広く利用される
- 油入形:絶縁油を充填しており、屋外や特に高い絶縁性能が求められる超高電圧用途で主流
- ガス絶縁:SF6ガスなどを利用するタイプで、コンパクトなGIS(ガス絶縁開閉装置)などに組み込まれる












