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計器用変圧器

高電圧を計測可能な低電圧へ変換

計器用変圧器(Voltage Transformer:VT)は、高圧や特別高圧の回路電圧を、計器や継電器で扱いやすい低電圧に変圧するための計測用変圧器である。かつては「Potential Transformer:PT」と呼ばれていたが、現在は国際規格に合わせて「VT」と表記するのが一般的である。

測定対象の高電圧を直接、電圧計や保護継電器に入力しようとすると、機器自体の絶縁性能を極めて高く設計する必要があり、大型化・高コスト化を招く。そのため、VTを用いて変圧比(例:6600/110V)に応じた低電圧に変換し、安全かつ容易に計測・保護を行うのが合理的である。

定格負担と制限負担の違い

VTの二次側に接続できる負荷容量(VA)には限界があり、これを「負担」と呼ぶ。選定において重要なのは以下の2つの指標である。

  • 定格負担:規定の誤差階級(1.0級など)を維持できる負荷容量の上限。電圧計や電力計の指示精度を保証するために守るべき値。一般的に25VA、50VA、100VAなどが用いられる。
  • 制限負担:誤差は保証しないが、温度上昇限度を超えずに耐えられる最大負荷容量。操作用電源として一時的に大きな電力を取り出す場合などに参照する値。定格負担の数倍程度の耐力がある。

接続する機器(計器、リレー、表示灯など)の消費VAを合計し、定格負担の範囲内に収まるよう選定しなければならない。過負荷状態で使用すると、測定誤差が増大するだけでなく、発熱による焼損事故につながる。

モールド化と限流ヒューズの設置

屋内用の高圧受変電設備では、難燃性と絶縁信頼性に優れた「エポキシ樹脂モールド形」が主流である。屋外用や特別高圧用では、絶縁油を充填した「油入形」や、SF6ガスを用いた「ガス絶縁形」が採用される。

VTの一次側には、内部短絡事故時の波及防止として「限流ヒューズ(PF)」を設置するのが一般的である。ただし、モールド形VTの場合、ヒューズが内蔵されているタイプと、外付けホルダーが必要なタイプがあるため、仕様確認が必要である。また、二次側が短絡した場合に備え、配線用遮断器(MCCB)やヒューズを二次側回路にも設けることが推奨される。

同様に電流測定についても、大電流を小さな電流に変換しているが、変流器・零相変流器の原理・選定で解説している。

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