電気設備の知識と技術 > 電気設備用語辞典 > 可動コイル形計器
永久磁石が作る磁界と、可動コイルに流れる電流間に流れる電磁力を利用した計器。アナログ型の計器であり、測定精度が高いため、直流用のアナログ計器として広く用いられている。
磁石内に可動するコイルを設置して電流を流すと、その電流の大きさに応じたトルクが発生し指針を動かす。発生したトルクによる指針の振れ幅を計測することで、電圧や電流の測定が可能となる。可動コイル形電流計の測定範囲は本来mAであるが、分流器を用いることで数千Aの電流測定も可能である。数十mAの測定範囲であれば計器内蔵または計器背負いにて分流器が取付けられているが、数十Aを超過する場合には、外付型の分流器が用いられる。
可動コイル形計器は直流回路の計測に用いるものであり、交流回路の計測はできない。交流回路を測定したい場合は、可動コイル型計器に整流器(ダイオード)を組み合わせることで交直変換を行う必要がある。可動コイルと整流器を組み合わせた計器は「整流形計器」と呼ばれている。
可動コイルを用いた計器は、消費電力が小さく感度が良いことが利点とされる。電圧計、電流計、抵抗計に幅広く採用される計器である。
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