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過電流強度
変流器が1秒間に耐えられる電流の限度値で、短絡電流にどれだけ耐えられるかを表す。過電流強度は「熱的強度」と「機械的強度」について検討を要する。
過電流強度は定格一次電流の倍数で表される。短絡電流は数千アンペアという大電流が瞬時に流れるため、過電流による発熱と衝撃に耐え変流器が損傷しないよう、発生する短絡電流の大きさに応じた過電流強度を持つ製品を選定しなければならない。
短絡電流12.5kAを定格一次電流で除すことで過電流定格が算出できる。定格一次電流100A、短絡電流12.5kAの系統で、事故電流の遮断時間を0.2[s]とした場合の過電流強度は下記の通りとなる。
機械的検討
- 過電流強度 = 短絡電流 / 定格一次電流 = 12.5[kA] / 0.1[kA] = 125[倍]
熱的検討
- 過電流強度 = √遮断時間 × 短絡電流 / 定格一次電流 = √0.2 × 12.5[kA] / 0.1[kA] = 55.9[倍]
過電流定格は「40倍」「75倍」「150倍」「300倍」がラインナップされているので、算出された値の直近上位の機種で選定する。熱的検討では55.9[倍]であるが、機械的強度の面からは125[倍]が求められるため、150[倍]の変流器が選定候補となる。定格一次電流100Aの150[倍]のため、過電流強度は15[kA]となる。
事故電流は即時遮断が原則のため、機械的強度によって決まるのが基本である。定格一次電流300Aを超えるような大型CTの場合、過電流強度は倍数ではなく電流値で記載される。
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